1週間前にあげた問題の答え合わせです。
たてに24個立方体を並べたことから,対角線ABは24等分され,1/24,2/24,3/24,…,24/24ごとに,たての向きの面を通過します。24/24は頂点Bに対応しています。また,横に36個立方体を並べたことから,対角線ABは36等分され,1/36,2/36,3/36,…,36/36ごとに,横の向きの面を通過します。36/36も頂点Bに対応しています。この2つの分数の列において,共通して現れる分数は何でしょうか。それは,約分することで1/12,2/12,3/12,…,12/12になる12個の分数です。よって,頂点Bに対応する12/12を含めて,12回対角線ABは2つの方向の面を同時に通過します。対角線ABがちょうど2つの面を同時に通過すると立方体の辺を,ちょうど3つの面を同時に通過すると立方体の頂点を通過します。このように,分数の列の問題として,考えを進めてみましょう。
(1)高さの方向にx個積むことで,3つ目の分数の列1/x,2/x,3/x,…,x/xができます。3つの分数列1/24,2/24,3/24,…,24/24,1/36,2/36,3/36,…,36/36,1/x,2/x,3/x,…,x/xにおいて,1/12,2/12,3/12,…,12/12がすべてに現れ,かつ,ちょうど2つの分数列に共通して現れる分数がなければ,辺を通過する回数は0回となります。このようなxとして考えられる最も小さい整数は12です。このとき,辺を通過する回数は0回になります。また,xが12×5=60,12×7=84,12×11=132などであっても,辺を通過する回数は0回となります。
(2)2つの分数列1/24,2/24,3/24,…,24/24,1/36,2/36,3/36,…,36/36,に現れる分数すべてが現れるような最小のxは,24と36の最小公倍数である72です。このとき,1/12,2/12,3/12,…,12/12は3つの分数列に現れ,それ以外の分母24と36の分数列に現れていた分数は,ちょうど2つの分数列に現れることになるので,(24-12)+(36-12)=36(回)辺を通過します。
(3)2つの分数列1/24,2/24,3/24,…,24/24と,1/36,2/36,3/36では,12個の分数が2つの分数列に共通して現れ,(24-12)+(36-12)=36(個)の分数が1回ずつ現れます。1回ずつ現れている分数をできるだけ2回現れる分数(=辺の通過)にしつつ,2つの分数列にはなかった新しい分数(=面の通過)ができるだけ少ないような数xを探します。
x=72の場合,72-(12+36)=24(個)の分母72の分数が重複しないので,面の通過は24回です。
x=24の場合,分母24の分数は全て重複するが,分母36の分数のうち36-12=24(個)が重複しないので,面の通過はやはり24回です。
x=36の場合,分母36の分数は全て重複するが,分母24の分数のうち24-12=12(個)が重複しないので,面の通過は12回です。これが最小となります。
よって,x=36で,面の通過は12回です。