GWも終わり、2か月もすればもう夏休みです。受験生にとっての「天王山」も目前に迫りました。光陰矢のごとし、などと言われますが、月日の経つのは本当に早いものです。
筑駒をはじめ、御三家はもちろん、難関と言われる中学の国語入試問題は記述問題の出来具合によって差がつく学校がほとんどです。ただ、一口に「記述問題」と言っても、ただ「書けばいい」というわけではありません。皆さんの中には、書くことが好きな人も嫌いな人もいるでしょうが、今回は記述をする上でのポイントについて考えてみましょう。
塾のテストやテキストの記述問題に取り組むとき、皆さんはまずどうしているか思い出してみて下さい。設問を読み、傍線部を確かめ、前後に手がかりを探し…という具合の人が大半ではないでしょうか。
私は、授業を通じてしつこいほど言っていることがあります。
①設問を熟読し、設問指示にチェックをつける。
②考える手順は後ろから(文末→答えの「柱」→飾り付け(修飾)部分)
③書く材料(②のもの)を余白にメモして書く順序を決めてから書き始める。
授業中、生徒諸君が記述問題に取り組む様子を見ていると、③の出来ている生徒はかなり少なく感じます。おそらく、頭の中で書く内容を整理した「つもり」で書いているのでしょう。でも、頭の中でまとめるのとメモを見ながらまとめるのでは、大変さが違うことは皆さんにもわかりますよね。「時間がないから…」「面倒だから…」等々、何かと理由をつける人も毎年いますが、慣れれば絶対にこのやり方の方が時間の無駄がなくせます。
また、①も意外に見落としがちです。「何を」「どのように」「どのくらい」書けばいいのか?それを、設問と解答用紙をしっかりチェックすることで判断できなくてはいけません。以前のブログでも書いたことですが、2017年の開成中の解答用紙に書かれた注意事項、
「1行のらんに2行以上書いたもの、小さすぎる字は減点の対象にします。」が、採点者の意向を反映しています。おそらく、「だらだらと余計なことまで書き連ねるのではなく、設問の意図を正確に読み取り、必要最低限の言葉で説明しなさい」ということでしょう。こういうことも、前述の「メモの習慣」がある人は、ポイントの取捨が容易にできるはずです。
人間の記憶力は、よほど優れた資質のある人でなければたかが知れてます。それに頼るくらいなら、「メモ」の習慣を身につけてみませんか?受験生にとっても、まだ半年以上の時間があります。今までやってこなかった人も、今日から実践してみて下さい。