日に日に暑くなり、たくさんの植物や昆虫が見られる時期になりましたね。夏の天王山を前に、受験生のみなさんは日々学習に励んでいることでしょう。
本年雙葉中で根粒菌に関する問題が出題されました。根粒菌はダイズのようなマメ科の植物の根元に見られ、植物と共生しています。根粒菌は空気中の窒素を使い窒素化合物をつくり、これを植物に与えます。代わりに植物は光合成によってつくった物質を根粒菌に与えます。通常、植物を育てるときには窒素肥料を与えますが、マメ科の植物は根粒菌のおかげで窒素肥料を与えなくてもよく育ちます。
さて、光合成の話が出てきましたが、みなさんは光合成とはどのようなはたらきで、どのような仕組みで行われているか知っていると思います。教科書や参考書を開くと当たり前のように出ていますからね。
当然、昔は当たり前ではなくたくさんの科学者の実験によって少しずつですが光合成の仕組みが明らかにされてきました。今回は光合成の歴史を紹介します。
アリストテレス 紀元前4世紀頃
びっくりするかも知れませんが、当時植物は土を食べて生きていると考えられていました。
ヘルモント 1648年
水だけを与えてヤナギを5年間育てたところ、ヤナギは74.5kg増加したが、土は57gしか減少していませんでした。このことから、木は土の栄養分ではなく与えた水を使って成長すると考えられました。
プリーストリー 1772年
ガラスの鐘内のろうそくはやがて消えるが、植物を入れてしばらくおくと、ろうそくは再び燃えるようになりました。このことから、植物がろうそくの燃焼に必要な気体(酸素ですね)を発生することを発見しました。
インゲンホウス 1779年
ガラスの鐘内のろうそくは植物を入れても暗いところだと燃焼しませんでした。また、ガラスの鐘内のネズミは植物を入れても暗いところだと死んでしまいました。このことから、植物が酸素を発生するためには光が必要であることを発見しました。
セネビエ 1788年
ガラスの鐘内の植物は二酸化炭素があると酸素を発生しますが、二酸化炭素を吸収する液体を入れると酸素を発生しませんでした。このことから、植物は二酸化炭素があるところで光が当たると光合成を行い、酸素を発生させることを発見しました。
ソシュール 1804年
ガラスの鐘内の植物に光を当てると、ガラスの鐘内の二酸化炭素が減少し、酸素が増加しました。また、植物中の炭素量が増加しました。このことから、光合成によって空気中の二酸化炭素が取り込まれることを発見しました。
ザックス 1864年
葉の一部をアルミ箔で多い、光に当てた後ヨウ素液にひたすと色が変化したことから、植物は光合成によってデンプンをつくっていることを発見しました。
…実はまだまだ歴史は続きます。上に書いたことはすべてこれまで中学受験で出題されている内容です。たくさんの科学者の功績が、今のみなさんの学習の糧となっていますね。
たくさんのことに興味を持ち、情報を収集し、考え、調べ、「なぜ?」を解決していく。
最近の中学入試では様々なことが問われます。
テキストだけの学習ではなく、様々なことを考える習慣をつけていきましょう。
そうすることで、一歩近づきます
頑張れ!受験生!