今回は、最近テレビで観た深海の生物について少し話をしてみましょう。
深海はとても大きな水圧がかかり、水温も低い、生物にとってとても厳しい世界です。しかも太陽の光がほとんど届かない暗黒の世界なのです。その深海にもとても多くの生物が生息しています。その姿形はとてもさまざまで驚くような姿の生物がたくさんいます。
ぜひ一度調べてみて下さい。その不思議な、あるいは奇妙な姿に驚くことでしょう。
さて、そんな深海に生きる生物のほとんどが実は発光するといわれています。皆さんは知っていましたか?陸も含めて自ら発光することが確認されている生物のうち、およそ80%が海の中に住んでいるそうです。深海の生き物は、死ぬまでの時間の大半をほとんど真っ暗な世界で過ごします。生物の発光は、そのような環境で生きていくのにとても役に立つものだそうです。
では、どのように役に立つのでしょうか?
有名なのは「チョウチンアンコウ」ですね。光でエサをおびきよせて食べるという方法です。他にはホタルのようにパートナーを探すために光る生物もいます。この2つはすぐに思い浮かぶと思いますが、実は3つ目がとてもおもしろいのです。
深海には身を隠す場所がありません。そこで発光することで身をかくす生き物がいます。「光ることで身をかくす?」ちょっと不思議ですね。暗闇で光を出すと目立つはずですが、どういうことなのでしょうか。
先生が観たテレビに登場していたのは「バイパーフィッシュ」という魚です。体の下の部分が発光します。実は深海でも、水深200m~1000mの薄光層では太陽の光が上からわずかに届きます。バイパーフィッシュを食べようとして敵が下からバイパーフィッシュを見ると、その海面からの光をうけて影が見えてしまいます。そこで、体の下の部分の発光器を光らせることで、その影をうすくし、敵から見えにくくしているそうです。光ることで見えにくくすることができる、おもしろい仕組みですね。しかもこのように体の下を発光させる生物はたくさんいるそうです。あの有名な「ホタルイカ」も体の下を発光させています。
しかし敵もさるもの、「デメニギス」という深海魚がいます。世にも奇妙な深海魚で、なんと頭が透けていて、内臓が丸見えになっています。そして、その透明な頭の内部に緑色の目があり、バイパーフィッシュのような体から光を出して見えにくくしている魚を、その特別な目で見分けることができるそうです。
深海というとても厳しい環境で、しかもほとんど食べ物が無い世界をこれらの生き物は生きていくためにさまざまな進化をしてきました。そして、少しでも相手より有利になるように、たえず競争をするように進化をしてきたのでしょう。
勉強のあい間にこのような不思議な生物のことを調べてみるのもおもしろいのではないでしょうか。きっと新しい気づきがありますし、何よりも深海の生物については分からないことだらけなのです。分からないことを考えることは理科の学習にとってとても大切なことです。きっと皆さんの力を伸ばす何かがかくれていると思いますよ。