今年の算数の入試問題で多く目にしたのは【会話文による出題】でした。
もともと普連土学園中の定番で、最終問題が会話文形式で、その会話中の を埋めていくというものでしたが、他の学校は、あまり見かけることがなく、普連土学園のオリジナルともいえる形式でしたが、今年は、複数の学校でこの形式の問題を目にしました。
★栄東中東大Ⅰ大問2の『三角形の内部にある格子点の求め方』についての会話文を読んで結論の にあてはまる数を答えさせ、設問に答える問題
★獨協埼玉中第2回大問4の『買い物をしたときにもらうポイント(カード)のもらい方の違い』についての会話中の にあてはまる数や言葉や理由を答えさせる問題
★芝浦工大柏中第3回課題作文Ⅱ大問2の『スポーツの勝ち点制を新たなルールで考察する』会話文中の にあてはまる数や言葉や理由を答えさせる問題
★渋谷教育学園幕張中第2回大問3の『5人の通学距離や速さ・所要時間』の会話文を読んで設問に答える問題でかなり高度な考察が必要
★渋谷教育学園渋谷中の第2回大問1(5)の『整数を2つ以上の整数の和で表す』ときの会話中の にあてはまる数や言葉を答えさせる問題
★城北中第1回大問5の『思い浮かべた2桁の数を当てるゲームで、その式を探り当てる』ときの会話中の にあてはまる数を答えさせる問題
★巣鴨中算数選抜大問5の『すべての位の数字が1であるNけたの整数の和を求める式を、変形して求める』ときの会話中の にあてはまる数や理由を答えさせる問題
★東京農大第一中第2回大問6の『ブラックボックスの規則』についての会話文中の にあてはまる言葉や数を答えさせる問題
★帝京大学中第3回大問3の『伏せて並べた5枚のカードの並びを当てる遊び』についての会話文を読んでその並びを当てる問題でその理由も答えさせる
★富士見中第2回大問2Bの『思い浮かべた50以下の数を当てる』会話文を読んで設問に答える問題
★桐蔭学園中等教育学校算数基礎の大問3の『1から始まる奇数の和を求めていく』ときの会話中の にあてはまる数や言葉や理由を答えさせる問題
★そして本家の普連土学園中第1回大問6の『マス目に規則にそった数を書き入れていく問題の考え方』の会話文中の にあてはまる数や言葉を答えさせる問題
★さらに普連土学園中第3回大問6の『異なる重さの4色の玉の組み合わせ』の会話文中の にあてはまる数を答えさせる問題
この流れは、次年度以降もさらに広がりそうです。
会話によるキャッチボールから、内容を推理したり、論理的に組み立てていくといった力が必要であり、将来の数学の論理性を見極める一助にもなっています。
特筆すべきは開成中の入試問題で、本年刷新されその体裁が大きく変わりました。その冒頭の大問1で純粋な会話文の適語補充の問題ではありませんが、【会話文による出題】というジャンルで出題されたことでしょう。速さの問題でしたが、様々な条件が付いており、距離が与えられていないため、速さのセンスの有無で出来不出来がきまったと思われます。もっともこの問題が解けなければ開成には合格できないと思いますが。
いずれにせよ、理由を述べることも含めて、受験生はこの形式に慣れておきたいですね。