「いよいよ夏休みになりました」と例年なら言っている時期ですが、今年はコロナの影響で「まだ1学期が終わってません」という人もかなりいることでしょう。そんな状態であっても中学入試は待ってくれません。いずれにせよ、夏本番を迎えました。1学期の学習内容や各種テストの成果から、一人一人、この夏は「何を中心に」勉強しないといけないか、目標を立てていることと思います。夏を制する者は受験を制する、と言われるようにこの夏休みにどれだけ成果を得られるか、で受験校が決まってくるといっても過言ではないでしょう。
学習の「量」と「質」両面からきちんと目標を立てましょう。やみくもに長い時間机に向かっても、効率の悪い学習では力はつきません。かと言って、いくら効率だけを意識しても学習の絶対量が不足していればやはり良い結果は期待できません。
よく、目標を立てる際「苦手な社会をがんばる」とか、「算数の図形を解けるようにする」といったことを掲げる人がいますが、達成できたかどうかはどこでわかるのでしょうか。何となくできるようになった…という感覚的な達成感では、あまり意味がありません。その点、「○○時間は勉強する」とか、「△△問の問題を解く」といった、数字を含めた目標であれば、時期が来た時に達成できたかどうかははっきりわかりますね。今年の夏は、それぞれ自分の目標を明確にし、「やり切る!」という意識で臨んでほしいと思います。今年が特別な年であることは言うまでもありませんが、それは自分だけのことではありません。どこの受験生にとっても条件は同じなのです。結局、自分で立てた目標をどこまで達成できたかで結果が決まることはいつの年でも同じことです。
特に小6の受験生諸君は、この夏休みをどう過ごすかで2学期以降の意識やモチベーションが大きく変わります。11月・12月になった頃の自分の姿を想像してみてください。先のこと…などと思っていたら大間違い。あっという間にその時期がやってきます。その時になってあわてずにすむように、今のうちから準備を始めましょう。
普段受け持っている生徒には、「ミスノート」の作成を勧めています。漢字テストや模擬試験等で一度でも正解できなかった漢字や知識を書き出すノートです。一度間違えて覚えたものは、意外と同じ間違いをしてしまいます。今のうちに書き出しておくことで、入試直前になったら自分だけの「参考書」に出来ますよ。是非、作成してください。
いつもの年より短い夏休みである分、「短期集中」という意識を持って、一日一日を有意義に過ごしてほしいと思います。この夏の「達成感」を感じられるかどうかで、受験の成果も半分は決まると言ってもいいでしょう。前述のように具体的な目標を掲げ、「天王山」とも言える夏休みを有意義に過ごしてください。
最後になりますが、ニュースや新聞等を通じて世の中の動きに敏感になってほしいです。特に小5の人は、再来年の入試に向けて「今、起きていること」をきちんと理解しておきましょう。まさに歴史の1ページが記されている・・・そんな時期なので、過去の出来事とも関連付けながら整理することで、社会科の大きな勉強につなげていけます。