小4受験生の勉強が本格的に始まり、5か月が経過しようとしています。
塾に通い、宿題が出て、宿題をこなし、定期的にテストが行われるこの流れにお子様は慣れてきてはいるものの、途中途中において、「状況を確認」することは大切です。そこで、大まかではありますが「様子を見ながら今のままで大丈夫」な場合と「早めに外科手術が必要」な場合について、お子様の状況を分けてみたいと思います。全く同じタイプのお子様はそうそういないと思いますが、一部でも近い部分がある子がいましたら参考としていただけますと幸いです。
■タイプA
塾に通い、宿題が出ているようなのだが、あまり机に座って勉強をしているように見えない。「宿題やったの?」と聞くと「終わった~」と返事があり、とっとと遊びに行ってしまう。塾での成績は取れておらず、成績は低迷気味。
■タイプB
塾に通った日は「疲れたからもうやらない」と言い、何もしない。宿題を始めるときに親とけんかになり、宿題を始めてからしばらくたっても宿題がほとんど進まず親とけんかになる。一人で問題が解けないので結局親が全ての勉強を教える羽目になる。翌日に授業があるからとあわてて宿題を行いがちである。
そもそも勉強をしようという意思が少ない子であり、幼い子である可能性が高いです。宿題チェックが無い塾の場合は親がもっと管理せざるを得ません。宿題チェックがある塾であれば答えを写して宿題を行っている可能性が高いです。根本的に学習意思が低いため、塾での授業中は「時間ばかり気にする」「ずっと手遊びしている」という状況である可能性も考えられます。こういう場合、多くの熱心な保護者は「家庭学習の徹底」でどうにかしようと考え、「親が横について勉強」させたり、「個別指導塾」をサポートに使ったりしがちになりますが、それをしてしまうと受験までその状況が続いてしまい、根本的な解決には到底なり得ません。
①まずはもっと「塾で授業をよく聴いてくるようにさせる工夫」を行いましょう。塾で学んだことを子供に話してもらい、良く聴いてきたと思えたらご褒美があっても良いかもしれません。「授業を聴く」ことで確実に「宿題を行いやすく」はなるはずですし、成績が低い子は「授業さえきちんと聴けるようになったら」それだけでも成績は向上してしまいます。まずはその塾で「今後お子様が学べるかどうか」を夏期講習前に確認しましょう。聴けるようになれば状況は改善されていくはずです。
②「塾で話が聴くことができない」ことが改善されないならば、「成果が出ていない」のですから思い切って塾を辞め、全部「個別指導塾」にしてお子様にだけ「指導」してもらえる環境を整えるか、もっと「子供に近づいて来てくれる塾」に変えるか、「家庭に頼らず、塾内でお子様の指導を完結させてくれる塾」を検討するべきです。幼い子でも学ぶことができれば「基本的な内容理解」はできるはずです。経費に対して「持ち帰るもの」が無ければ通塾の意味が無いのですから、「ちゃんと塾で学べる」状況を目指しましょう。家庭内で全て指導できるならば塾は必要無いのです。せっかく塾に通わせるのならば「学びを持ち帰ることのできる塾」に通わせましょう。夏期講習は一つのチャンスだと思います。
■タイプC
塾に通い、宿題が出ているようなのだが、あまり机に座って勉強をしているように見えない。「宿題やったの?」と聞くと「終わった~」と返事があり、とっとと遊びに行ってしまう。塾のテストの成績は取れていて上位のクラスに所属している。
タイプAと似てはいますが、成果が出ている時点で全く異なります。家庭学習時間が短く見えるため、保護者の方は不安になりやすいですが、「まったく問題のない優秀生」です。きっとどこの塾に通っていても成功します。テストの結果が悪くなるまでこのまま様子を見ていきましょう。ただ、保護者の責任として「どの科目から何の宿題が出ているのか」だけはしっかりと把握していただき、お子様が嫌がらない程度に家庭でもチェックだけはしてあげると良いでしょう。また、Cのタイプの子達は経験上、字が汚いお子様が多いと思います。字が汚いことは「保護者のストレス」のひとつだと思いますが、すぐに改善できるものでは無いため、「漢字だけは丁寧に」とか「テストの字だけは丁寧に」などの指導を少しずつ行ってあげましょう。小5になって宿題量が増えても十分対応できる時間があるはずですから、小5になったら「何曜日に何の宿題を行うか」をお子様と相談しましょう。
■タイプD
親が横について勉強をさせている、または親が近くにいる環境で勉強をさせている。親に「教えてほしい」と質問をしてくることはあるが、宿題は自分でだいたい解くことができている。覚えなければならないものがあるときに「一緒にやってほしい」と親にお願いしてくる。
甘えん坊さんのお子様か、熱心な保護者の方に多い例だと思いますが、宿題が自分の力で解けているのであれば、「塾できちんと授業が聴けている子」だと思います。ただ、より上を目指すためには、「課題を実施する時間」を計ってあげるようにしましょう。「この宿題を何分で終わらせよう」と、全ての課題を「時間制限」にすると、宿題を行うために使用する時間を減らせる可能性があります。小5からは必ず宿題が増えるのですから、小4生の間は家庭学習時間が少ない方が良いのです。宿題を行う中学受験の勉強場所として「自分の部屋」よりも「食卓」のような親が近くにいる環境は安心ではありますが、横につかないと勉強ができなくなってしまうのはあまり良くありません。覚える勉強も「40分間で覚えられるかチャレンジしてみよう」などの提案をして、自分で覚える工夫ができるように成長を促してあげてください。
「塾できちんと話を聴けている」ならば、次は「家庭内での工夫」を行いましょう。
「塾で話が聴けない」ならば、まずは「塾で学んで帰れる体制」を整えましょう。
この順番が「受験の成功」へつながる第一歩です。
受験勉強を正しく行えば、「ちょっとした才能の差」など簡単にひっくり返ります。定期的に定点観測を行い(テストの結果では無く行動面です)、小4生のうちに正しく勉強ができる環境を整えましょう。
次回は「小4生の初めての夏期講習後について気をつけること」について書きます。