トムおじの小屋(ストウ夫人)~読書の思い出②~

2015/10/5

エクタスニュース

確か小学校2年生の時、お誕生日プレゼントとして親戚の方からいただいた本でした。大人の読む世界名作全集のうちの一冊で2段組の本格的なものでした。比較的短編の「黄金虫」(エドガー・アラン・ポー)も一緒に収まっていたと思います。「トムおじの小屋」は「アンクルトムズケビン」の名前でも有名な作品です。黒人奴隷トムの不幸な一生が描かれた物語でした。本書も一つのきっかけとなり、アメリカは「南北戦争」に突入し、北軍の勝利、奴隷解放へとつながりました。リンカーンの有名なゲティスバーグの演説、

 that government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.、人民の人民による人民のための政治を地上から決して絶滅させないために

も生まれました。

 

「トムおじの小屋」も「黄金虫」も読めない漢字も多く、内容も難しかったですが、読めない漢字は前後から判断して、何回も読んだ記憶があります。2段組の大人の読む本をよんでいることが嬉しかったのかもしれません。

それ以前に本とは、読書とは、そういうものが普通なんだ、読めない漢字、意味のわからない語句が混じっているのを読むものなんだ、と思って読んでいた気がします。まだ奴隷問題や奴隷解放に問題意識を持てるわけもなく、ただかわいそうなトムおじさんの物語として、「理不尽」ということがどういうことなのか、言葉を知る前に「物語」を通して、心に感じていたのでしょう。

当時の読書が今の何に結びついているのか、論理的に説明するのは難しいものがありますが、行ったことのない土地や国に行き、知らない人の人生を追体験し、時に喜び、時に怒り、はらはらドキドキすることで、何かしら「感受性が豊かになる」作用はあったのかもしれません。

 

読書のコツ②

本を読むのが好きな子には、児童文学書にこだわらず、大人が読むような本も、本人が望めば積極的に読ませてあげましょう。小学2・3年生で「モモ」「はてしない物語」「ハリーポッターシリーズ」を読んでいた塾生もけっこういました。

 

 

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