受験生の皆さん、いよいよこれまでの成果が試される時が来ました。既に1月校を受験した人も多いでしょう。順調に合格を勝ち取れた人もいれば、思わぬ結果に終わってしまった人もいると思います。でも、「本当の」勝負はこれからです。いい結果を出せた人も気を緩めず、また思わぬ結果だった人は気分一新で、第一志望合格を勝ち取ってください!
このコラムを読んでくれている皆さんは、これから本番の入試という人が大半でしょう。こういう時に、よく「全力投球」という言葉が使われますね。もちろん、本来は文字通り野球の投手の投球を表す言葉ですが、野球が国民的スポーツとなってきたために一つの慣用句的に用いられる言葉です。同義としては「全力を出す」「ベストを尽くす」「力を出し切る」等々…さまざまな言い方があります。
国語の記述問題に当たるとき、このことを頭の片隅においてほしいと思います。一つのことを説明するときの表現方法は様々にある、ということです。
たとえば、あるスポーツ大会で何度もくじけそうになった主人公が苦労した結果最終的に優勝を果たす、というような物語文があったとします。優勝が決まった瞬間の主人公の気持ちを答えなさい、と問われたらどのように答えますか?
心情説明の問題は、まず「プラス」「マイナス」どちらの心情か、を決めます。そして、「柱」となる気持ち言葉を決めます。さらに、その心情の程度(どのくらいか)を考えます。優勝できたのだから、当然「プラス」。気持ち言葉の柱は「嬉しい」「喜ぶ」というところまでは誰でもわかりますね。でも、「程度」を表そうとするといろいろな飾り方ができます。もっともシンプルに言えば「とても嬉しい」。でも、苦労の度合いが高ければ高いほど、「飛び上がりたいほど」「心の底から」「ことばに出来ないほど」…など、いくらでも言葉をつけたせます。
最初に決めた言葉も、少し思いを巡らせばもっとその場に相応(ふさわ)しい表現が見つかるかもしれません。結局、採点する側は受験生たちがどれだけその思いを巡らすことができたのか、を採点します。あっさり書いて終わり…ではなく、時間の許す限り考え抜いてください。それこそが、国語入試における「全力投球」です。
もう一つ、入試は点取り合戦だということも忘れてはいけません。合格最低点を1点でも上回れば勝ち。逆に1点でも足りなければ負け。そう考えると、絶対に避けたいのは「ケアレスミス」です。試験時間の最後の数分間、必ず見直しの時間を取りましょう。ここでの見直しは、「100%誤っているとわかったら直す」もので、「解き直し」ではありません。ただでさえ緊張する入試の最中ですから、冷静に見直せば「なぜこんなこと書いてるの…?」って思うようなミスをしても不思議ではありません。試験中にそれに気づく人と気づかない人とで合否が分かれるのです。最後の最後まで冷静に取り組みましょう。
私も含め、エクタスの各先生は君たちの「合格」を心から祈っています。
そのために「全力投球」で頑張ってください!