2020年は、新型コロナウィルスの影響により世界中が大混乱の日々となっています。学校もほとんどが臨時休校となり、大きなイベントも自粛要請が続き、今年開催予定の東京オリンピックでさえ開催が危ぶまれる声が出ています。
私自身、東日本大震災以外ではこれほど長く休講せざるを得ない状況は初めてです。病気の感染はもちろん、人々が多くのことを自粛することにより経済活動にも多大な影響が出ており、まさに大きなピンチといえる様相を呈しています。
ただ、ピンチだから…と暗くなるだけではどうすることもできません。むしろ、「このピンチをチャンスに変えてやろう!」というくらいの前向きな考え方こそ大切なのではないでしょうか。
たとえば、受験生の皆さんについて考えれば、本来はまだ普通に学校にも行き週何回か塾の授業を受け宿題をこなす…という日々であったはずです。でも、学校が長期休校となったため、使えるはずではなかった「時間」が皆さんには手に入りました。
この「時間」をいかに有効に使うか、是非考えてほしいと思います。たとえば、日ごろは学校・塾・習い事で時間がしばられて好きな本を読む暇なんてなかった…などという人も、学校がない分じっくり読書にも時間が使えます。また、苦手な科目がある人であれば、いつも宿題に追われる日々だったけれど少し過去にさかのぼって復習してみようか…等々。
ここで、2020年の中学入試で複数の中学が採用した文章をご紹介します。
宮下奈都 『つぼみ』(麻布・武蔵他2校)
朝比奈あすか 『君たちは今が世界(すべて)』(開成・海城他2校)
伊藤亜紗 『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(筑駒・海城他4校)
複数の学校で出題されているということは、複数の中学の国語科の先生が「こうした作品に触れておいてほしい」と思っているということです。少しでも興味があれば、是非読んでみてください。
まだしばらくは混乱が続きそうですが、そうした周囲の状況に流されることなく、自分の意志を貫きこのピンチを乗り切っていきましょう。