11月も下旬となり、受験生にとって残された期間は約二ケ月となりました。マラソンでいえば35キロ地点といったところでしょうか。そろそろラストスパートのタイミングを…という時期ですね。
筑駒の国語は、2018年度の入試では漢字以外は全問記述問題になりました。大学入試においてセンター入試が廃止され、それに代わるものが思考・記述重視の入試スタイルになることから、今後進学校でもますます記述問題を多く出題するようになることでしょう。以前、このブログで記述問題の考え方について書いたことがありますが、ここでもう一度記述の「イロハ」とも言える基本について書いてみたいと思います。
授業内で記述問題を解く様子を見ていると、低学年の生徒はもちろん、小5や小6の生徒でも「いきなり解答欄に書き始める」人が必ずいます。十字や十五字でまとめるならまだわかりますが、六十字、八十字という分量でもそのように解いていくのは感心しません。旅にたとえるなら、目的地がどこかわからないままさまよっているようなものです。
字数を多く書かせる記述問題にあたるときは「後ろから考える」という基本をおさえておきましょう。
まずすぐに決まるのが文末(終わり方)です。「なぜ・どうして?」と聞かれたら「~から・ため。」、「どういうこと?」と聞かれれば「~こと。」と、文末はすぐに決められますね。つぎに、解答することの「柱」(中心)となることがらを簡単に決めます。このとき、できるだけ「主語・述語」のかたちで考えるようにします。「何がどうしたから」「だれがどうだったこと」という感じです。これを問題用紙のすみにメモをしておくと、残り何字くらいつけたせばいいか、めどがたちますね。最後に修飾語、つまりかざりのことばとして何をつけたしていくか、メモに加えます。ここまで書く材料をそろえた上で、どういう順序で書き進めるかまで決めてから、解答欄に書き始めていきます。すでにそういう書き方に慣れている人もいるでしょうが、「初めて聞いた」という人は、ぜひこの方法で練習してみてください。初めのうちは時間もかかるでしょうが、慣れてくるとこの方が楽だしうまくいくと気づくことと思います。
自分の考えを思った通りに記述できるようになれば、記述問題での得点力が伸び、その結果国語の得点力も増していきます。受験生はもちろん、まだ受験まで時間がある5年生以下の人もぜひこのやり方を習得してください。