中学受験を目指す小学生なら、今まで何問も国語の文章問題を解いてきたと思います。テキストの問題、テスト等、何問も文章を読み、答えてきたことでしょう。
小学校でのテスト(いわゆる「カラーテスト」)レベルなら、受験生の皆さんならすらすら読んで、全問解いても時間が余る…という人が多いでしょう。もちろん、100点を取ることも珍しくないと思います。ところが、塾でのテストやテキストの問題となると、とたんに難しくなる。同じ国語なのに…と感じたことがある人もいるでしょう。
まず、塾のテキストや問題は普通に小学校で習う国語の文章に比べ、①分量が多い②難解な語句も含まれる(=小学生向けの文章ではなく、一般大衆向けの文章が多く使用される)③問われ方が小学生には難しい…等々、様々な理由があります。
入試問題や塾でのテスト等に使用される文章は、上記の理由から一度読んだだけで内容を完全に把握することはとても困難です。それでも8割~9割得点できる人もいることも事実です。「そんな人は天才なんだ」「僕にはそんな力はつくはずがない」…などと嘆く前に、そういう人がどんな解き方(読み方)をしているのか、を考えましょう。
得点力の高い人にほぼ共通しているのは、「マーキング」、つまり文章の中のポイントに印をつけながら読んでいるということです。
その際、やみくもにあれもこれも…と線を引くと、線だらけになってしまいかえって重要なことが見えなくなってしまいます。文章ジャンルによって、自分なりの「ルール」を決めてマーキングしていくことが大切です。
たとえば、物語文の場合は
①できごと
②心情変化(気持ちことばだけではなく、表情や情景描写にも注目)
③人物の行動・言動
この3つと決めて、それぞれ自分なりのルールで線を引きます。この3つは、ほとんどの場合因果関係になっているので、矢印でつないでいきます。この作業をしながら読み進めていくと予め設問になっている傍線部にいつかはあたるので、矢印を戻るとそこに答えがある…という読み方です。
同様に説明的文章の場合は、
①キーワード(文中に何回も出てくる言葉)
②「しかし」「だが」等の逆接のことば
③「つまり」「だから」「したがって」等、それまでの内容をまとめる言葉
④筆者の強い意見
この4つと決めて、同様に線を引いて行きます。①で話題がわかり②では逆接の後半が筆者の意見になります。また③④から筆者の主張を読み取れれば、その文章は理解できたことになります。
いよいよ、長い夏休み。受験生はこの夏の成果が合否に直接影響するといっても過言ではありません。その大切な時期に、ここで紹介したような「マーキング」を意識して読み、解くようにしてみてはどうでしょう。今までとは違った読み方ができると思います。また、初めからうまくいくとは思わず、試行錯誤をしながら自分なりのやり方を身に着けていくのがコツです。