「地球上最悪の侵略的植物」淡路島で繁殖
4月のあるニュースの見出しに書かれていた言葉です。とても怖い響きがありますね。「地球上最悪」とか「侵略的」とか、いったいどんな植物なのか気になりませんか?
その正体は「ナガエツルノゲイトウ」という水草のことです。南米原産の多年草で、非常に繁殖力が強く、引き抜いても地中に残るわずかなくきや根から増えることができるそうです。しかも塩分や乾燥にも強いので、内陸の方でも海辺の近くでも成長することができ、さまざまな地域に生息域を広げているようです。日本で最初に確認されたのが1980年代ということなので、40年近くも前に日本に侵入し、その生息する範囲を広げてきたことになります。
「ナガエツルノゲイトウ」 が生えると何が問題かというと、その繁殖力の強さも問題なのですが、「ナガエツルノゲイトウ」は在来の植物の成長を阻害する性質があるのです。例えば田んぼに侵入して繁殖すると収穫量が減少するそうです。また、茎が空洞で水に浮くため水路を塞いでしまい水害を起こす危険もあるそうです。なるほど農家にとってはとても怖い植物であると言えますね。
もちろんそのまま放っておくと大変なことになりますから、「特定外来生物」に指定されていて、地域の人たちと協力して駆除する努力を続けていますが、先に書いたように非常に繁殖力が強いため、完全に駆除することはなかなか難しいようです。
今回は、その「ナガエツルノゲイトウ」が淡路島で繁殖していることがわかり、駆除するためにがんばっている地域の取り組みがニュースになっていたわけです。さて理科を学習している皆さんならどのような方法でこの植物を駆除しますか?もちろん生態系に強い影響をおよぼす農薬などの化学薬品は使用できませんよ。
ふだんの理科の勉強で得た知識や考え方をテストなどの問題を解くこと以外にも使ってみることはとても大切です。いつもの生活の中で知識を活かすこと、知識を組み合わせて新しい考えに気づくこと、これらの取り組みは皆さんの能力を大きく伸ばしてくれるでしょう。御三家をはじめとして難関中学の先生方は、皆さんにテストのためだけの知識を身につけることは望んでいません。それは各学校の入試問題を見ればすぐにわかります。皆さんには、ぜひふだんの生活の中でもさまざまな知識や考え方を自分から探していけるような、そんな受験生になってもらいたいと思います。
ちなみに淡路島では「ナガエツルノゲイトウ」を駆除するために「遮光シート」を使っていました。上の学年の人なら、名前からどのようにして駆除するかわかりますね?この方法以外にもっと良い方法があるのか、ぜひ一度自分で考えてみてください。