皆さんは「ジャパニーズ・ビートル」という昆虫を知っていますか?最近、フランスに上陸したことがわかりニュースになっていました。「ジャパニーズ・ビートル」とは、マメコガネという日本の在来種で、小さいコガネムシのなかまです。いろいろな植物の花や葉を食べるため害虫として知られています。このマメコガネが、1900年代の初め頃にアメリカに渡り、天敵が少なかったため、またたく間にアメリカ全土に広がりました。そしてアメリカの農作物、特にダイズやトウモロコシに大きな被害を与えるようになり、「ジャパニーズ・ビートル」という悪名で知られるようになりました。その「ジャパニーズ・ビートル」がフランスに上陸したようだ、となったわけですから、農業大国であるフランスでとても大きなニュースとなったのもうなずけますね。
「ジャパニーズ・ビートル」は自分で海を渡ることはできないので、当然、人間の活動によって世界へと広がっていったのでしょう。今年の麻布中の入試問題で、人と生態系に関する問題が出ていましたが、「ジャパニーズ・ビートル」の話も広い意味で人と生態系にかかわる問題であると言えるでしょう。生態系と人の活動にはどのような関係があるのか、生態系を守るために自分達にできることはどんなことがあるのか考えてみるのもよい勉強になるのではないでしょうか。
また、これまでにたくさんの入試問題で外来種がテーマとしてあつかわれてきました。しかし、その多くは「セアカゴケグモ」や「セイタカアワダチソウ」など、海外から日本へと渡ってきて日本の生態系や私たちの生活にどのような影響があるのか、などが問われてきました。しかし、今回の「ジャパニーズ・ビートル」は日本から海外へと渡った侵略的な外来種の話なので、逆のテーマになります。その意味においてとても興味深いものがあります。今後の入試問題に注目ですね。
さて、悪い意味で「ジャパニーズ」という言葉が広がるのは少し嫌な気もしますが、この「ジャパニーズ・ビートル」の話を知り、皆さんがもしマメコガネを公園などで見つけたときに「これがそうなのか~」と少しでも興味を持ってくれると良いですね。そして、この話を1つのきっかけにして自然をより深く観察するようになれば、この話もとても良いものであったと言えるでしょう。ぜひ、身のまわりの自然に目を向けてみてください。