皆さんは「生物季節観測」という言葉を知っていますか?
植物34種、動物23種を対象にして、気象庁が毎年全国で観測をしていたものです。たとえば、サクラが開花したのは何月何日かとか、今年になって初めてウグイスが鳴いたのは何月何日なのか、という記録です。特定の生物の様子を毎年調べることで、季節の訪れが早まっているのか、逆に遅れているのか、など気象観測に役立てようとして約70年近くも観測し、記録を続けてきました。おそらく高学年の人なら、理科でこういう問題を解いたことがあるのではないでしょうか。
その「生物季節観測」ですが、じつは全57種のうち、51種の観測をやめることが決まりました。もちろん生物学者を中心に反対の意見もありました。とても貴重な観測ですからね。しかし、かつてはこれらの生物の様子から季節の到来を感じていましたが、現代ではそれも感じることが難しく、さらにその生物そのものを観測することがとても難しくなってしまったため大幅に削減することが決まったそうです。
今年の筑波大駒場中の入試で、この「生物季節観測」を9割減らすことを題材にした問題が出題されました。夏、秋、冬の訪れを知らせる生物の様子を選ぶ問題と生物の観測が難しくなった理由を答える問題です。
さて皆さん、選択問題とはいえ、それぞれの季節で見ることができる生物の様子を正確に答えることはできるでしょうか?低学年の皆さんでも挑戦できる問題ですから、ぜひ解いてみてくださいね。そして、あらためて身の回りの自然現象に目を向けることの大切さを知って欲しいと思います。
そして筑駒ではさらに生物の観測が難しくなった理由を考えさせています。難関校の受験ではこのような知識ではなく、「考える」ことを求める問題が出てきます。「知らないから答えられない」はダメですね。身の回りの自然現象に目を向けることができるようなったら、次は「なぜ?」と考えるようになってください。そして、それが続けられるようなると、さらに力がついてきます。ぜひ取り組んでみましょう。
では考える材料を1つ書いておきましょう。植物34種のうち、28種が取りやめになり、動物23種がすべて取りやめになります。植物6種だけがこれからも観測を続けることが決まりました。では、なぜ動物はすべて廃止になったのでしょうか?
答えが1つだけの問題とはちがい、いろいろな理由が考えられます。皆さんはいくつ思いうかびますか?
今年の筑波大駒場中の入試問題から
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