暑い日が続いていますね。
受験生のみなさん、受験の天王山とも言える夏期講習(夏休み)が間近に迫ってきました。自分の志望校の合格へ確実に近づくために、体調管理に気をつけて日々学習を進めましょう。
さて、今年の女子学院中のⅢでは、バッタに関する問題が出題されました。昨年、東アフリカから南西アジアにかけて大発生した「サバクトビバッタ」をテーマにした問題で、本年の入試では女子学院中以外にもサバクトビバッタをテーマとした問題を出題した学校がいくつかありました。
サバクトビバッタは「相変異」と変化を起こす昆虫として知られています。「相変異」とは個体の群れの密度(個体群密度と言います)の違いにより、行動や姿に変化を起こすことを言います。個体群密度が高い状態(数が多い状態)を群生相、個体群密度が低い状態(数が少ない状態)を孤独相と言います。群生相の状態だと後ろ足が短く、前羽が長く、黒色っぽく、移動力が大きく、集団生活を好むようになります。またフェロモンを出すことで仲間を寄せることもわかっています。逆に孤独相の場合は、後ろ足が長く、前歯根が短く、緑色っぽく、移動力が小さく、単独生活を好むようになります。サバクトビバッタの大量発生は群生相の状態で起きます。群れることで互いに接近して一緒に移動するようになります。そうすることで更に個体群密度が高くなり、個体群全体で移動をするようになります。移動しながら移動先にある植物を食い荒らし、増え、密になり、また移動し、植物を食い荒らし・・・を繰り返すことで自然や農作物に対して大きな被害をもたらすこととなります。
さて、この「相変異」はサバクトビバッタだけではなく、日本にいるトノサマバッタでも起きます。むしろ、トノサマバッタの方が相変異による変化がわかりやすいと言えます。また、バッタだけではなく他の昆虫でも相変異を起こすものが少ないですがあります。みなさんがよく知っているものであればアブラムシがあげられます。アブラムシは普段、雌だけで増えます。(単位生殖と言います)単位生殖のアブラムシには羽がありません。しかし、秋の終わりに越冬する際や、住処を広げる(近くの木や草に移動が必要になるときなど)際には、雄雌で交尾を行い、羽のあるアブラムシを産みます。羽のあるアブラムシは飛ぶことにより住処を移動します。住処を広げる=今いる場所の個体群密度が高くなるということです。数が増えるとエサが必要になるので、住処を広げてエサを確保しているということになります。
個体群密度によって体の特徴や行動を変化させることが種として生き残るための術であるということです。
受験生のみなさん、もし学習がうまく進まないときには、少し取り組み方を変えてみるとうまくいくかもしれません。
取り組む内容を変える、ということだけではありません。取り組む時間を変える、思い切って別の科目を勉強する、休憩する、ということも効果的な場合があります。
この夏の学習を、どこの誰よりもベストなものにしていきましょう。
頑張れ!受験生!