知っていることの「逆」を考えてみよう -part1-

2024/7/18

エクタス理科より

今年、2024年は6月から暑い日が続き、25日は、東京で観測史上最も早い猛暑日となりました。
小学校では6月中旬にプール開きをしたものの、気温が高すぎるためにプールに入れないこともあったそうです。

ところで、プールに入っているとき、「水が鼻に入って痛い」経験をしたことはありませんか?

これは水温も関係しているのですが、「浸透」という現象も関係しています。
「浸透」とは、濃度が高い溶液と低い溶液が「特殊な膜」でふれあっているとき、濃度を同じにしようとして、濃度の低い溶液が濃度の高い溶液に移動する現象です。
ここでいう「特殊な膜」というのは「半透膜」といい、とても小さい穴が開いているもので、大きい溶質の分子は通さず、小さい溶媒の分子だけ通せるものです。

先ほどの「水が鼻に入って痛い」現象は、濃度の低い水が、濃度の高い体液に侵入し、細胞が膨張することで起こります。

また、この「浸透」のしくみをつかって、砂漠の国サウジアラビアでは、海水を飲める水に変化させる「海水淡水化」が行われています。
サウジアラビアの都市部の70%はこのしくみでつくられた水で生活しています。
一体どのようなしくみかというと・・・・ここまで読んでいただいた皆さんであればもうおわかりですね。

先ほどの「浸透」の逆のことを行えばよいのです。
すなわち、海水(高い濃度の溶液)に圧力を加えて半透膜に通すと水(淡水)ができます。
これを「逆浸透」といいます。

説明されると当たり前に思えるかも知れませんが、「逆のことを考えてみる」というのは、理科的には非常に難しいことです。

もう一つ、皆さんになじみのあることの「逆」を研究した結果、大発明が生まれたお話はまた次回に。

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