少し涼しくなり、残暑もあと少しというところでしょうか。
受験生のみなさんは、夏の天王山を終え、過去問や模試、日々の課題に励んでいると思います。
さて、本年の筑駒中の大問6では、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に関する問題が出題されました。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は後部にある凹面鏡で光を集める反射望遠鏡です。この凹面鏡のことを主鏡と言い、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は六角形の主鏡が18枚ある巨大な望遠鏡で、現存するどの人工衛星にも収まらないほど巨大な望遠鏡です。この巨大な主鏡で(わかりやすく言うとパラボナアンテナの要領で)映像を集めるため、より鮮明な、より正確な情報を地上へと届けることができます。
宇宙望遠鏡のみならずみなさんが普段手にする望遠鏡の仕組み、歴史はこれまで中学受験の理科で出題されています。今回は望遠鏡について書いていきます。
望遠鏡にはその仕組みや作りから様々な形態がありますが、中学入試の理科でよく比較されるのは「ガリレオ式望遠鏡」と「ケプラー式望遠鏡」です。これらはレンズを用いた望遠鏡で、屈折式望遠鏡と呼ばれています。どちらも古い時代に発明されましたが、現在でも使用されています。
まずガリレオ式望遠鏡です。
1600年頃に発明されました。
対物レンズには凸レンズ、接眼レンズには凹レンズを使用し、対物レンズによる倒立実像を凹レンズで拡大して虚像を作ります。この場合、実際目に見える像は正立像でありますが、高倍率にすると視野が極端に狭くなってしまうというデメリットがあるため、この後にケプラー式望遠鏡が発明されたことにより使用される機会は少なくなりました。
次にケプラー式望遠鏡です。
1615年にケプラーにより発明されました。
対物レンズにも接眼レンズにも凸レンズを使用し、対物レンズによる倒立実像を接眼レンズにより拡大して正立虚像を作ります。ガリレオ式望遠鏡との違いは、倒立実像をそのまま拡大して正立虚像にしたものを観察しますので、実際に目に見える像は倒立像となります。上下左右逆の像が見えますが、ガリレオ式顕微鏡と違い視野が狭くなりにくいため、現在でも天体望遠鏡を中心に様々な望遠鏡に使用されます。また、望遠鏡の中にプリズムを入れることで倒立像を正立像に変えて見ることができるため、大変使い勝手の良い望遠鏡であると言えますね。
ただし、レンズを使うことで色ごとに屈折率が違うので、像の色がずれてしまう(色収差と言います)ことが生じてしまうというデメリットがあります。
17世紀になるとニュートンがレンズでは無く鏡を利用した反射望遠鏡を発明しました。
反射望遠鏡にはグレゴリー式、ニュートン式、クーデ式…といった様々な種類がありますが、レンズを使わずに鏡を使うことで、色収差が起きず、更にレンズよりも鏡は軽いため、望遠鏡の口径を大きく、望遠鏡を大型かすることができたため、現在の天文台にある大型の天体望遠鏡のほとんどに反射望遠鏡が使用されています。
宇宙望遠鏡に話を戻すと、宇宙に望遠鏡を飛ばして宇宙から直接天体を観測することで、地球の大気や天候、地磁気などによる影響を受けないためより高い精度での天体観測が可能となりました。
最初に打ち上げられた宇宙望遠鏡は1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡です。最初は15年程度の運用予定でしたが、観測の精度が高いことから現在まで35年に渡って運用されています。
ハッブル宇宙望遠鏡よりもより高性能な宇宙望遠鏡としてジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が2021年に打ち上げられ、運用を開始しています。
今後運用予定の計画としては、2026年に打ち上げ予定のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡、2039年に打ち上げ予定の大型紫外可視近赤外線宇宙望遠鏡などがあります。
2025年9月には日本から月食が観測されました。宇宙に関することは中学入試の理科ではテーマとしてよく取り上げられています。
受験生のみなさん、より多くのことを吸収し、志望校合格を目指して勉強に励んで下さい。
頑張れ!受験生!