皆さんはネズミの笑わせ方を知っていますか?

2016/11/21

エクタス理科より

 

そもそもネズミが笑うことを知っていましたか?1999年にネズミもくすぐると笑う、という研究結果が発表されました。そのころは人間に近い霊長類のサルがはたして笑うのだろうか、と多くの研究者が議論をしていた時期で、「サルは笑う!」「いや人間以外の動物は笑わない。」と熱い議論を交わしていました。そんなときに「ネズミも笑うよ。」と研究結果が発表されたのですから、その当時いかに大騒ぎになったか簡単に想像することができますね。しかも人間の子どもと同じようにくすぐると笑いながら喜んで走り回る、というのですからすごいですよね。


さて、このようにネズミもくすぐると笑う、ということは研究者の間で次第に認められていきましたが、くすぐったさとは何か、脳ではどのように処理されているのか、そのメカニズムまではわかっていませんでした。


しかし、今月、ドイツのフンボルト大学の研究者から、ネズミの脳のどの領域が「くすぐったさ」を感じているかを特定した、と発表がありました。しかもネズミの気分によってくすぐりの反応が違うことも分かりました。これはどういうことかというと、人も子供のときと成長して大人になるとくすぐったさが違って感じられますし、例えばすごく嫌なことがあったときにくすぐられてもあまり笑うことはないですよね。それと同じで、ネズミも幸せなときはくすぐるとよく笑うし、嫌な気持ちのときにはくすぐっても笑わないことが、研究で確認できたそうです。


さて私たち普通の人が「動物をくすぐる実験」とだけ聞くと、「え? 何でそんなことを調べているの?」と思うかもしれません。現代の科学も積極的に取り組んできたとは言えない現状があった、と今回のネズミの研究の共同研究者である石山晋平さんがおしゃっていました。確かにとてもおもしろい実験ですが、この実験はこのあと何につながっていくのだろう、と私も初めは疑問に思いました。でも今回の研究発表のニュースを調べてみると、この研究の先には、人の脳や行動のしくみ、精神に対する影響のしくみなどを知る手掛かりとなり、いずれはより大きな人の秘密を解明するヒントになるかもしれない、とわかりました。


他人にくすぐられるととてもくすぐったいのに、自分で触ってもくすぐったく感じない、とてもあたり前のことに疑問を持ち、真剣に研究に向かい合うその姿勢はとても素晴らしいことだと、今回のニュースをみて感じました。皆さんも将来、他の人は関心を持たないあたり前のことに興味や疑問を持ち、全力で取り組むことができるような人間になって欲しいと思います。そのためにもいろいろなものに目を向けることが第一歩です。中学入試の理科の問題を見ると、受験生の科学的な興味・関心の強さを問う問題が多く出題されていますね。中学校の先生たちも同じような希望を受験生の皆さんに対して持っているからなのでしょう。入試問題はそのメッセージの1つのあらわれかもしれません。


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