麻布中の理科の入試問題より

2017/5/9

エクタス理科より

 

 2017年入試が終り、塾での学年が上がり、また学校での学年が上がり一月が経ちました。あっという間に夏のようなあたたかい日が続いていますね。今年6年生のみなさんは9ヶ月後の入試に向けて受験生としての意志を強く持ち始めている頃だと思います。



 先生のブログでは、毎回筑駒、御三家中学校で出題された問題を紹介していきます。



 2013年の麻布中学校の大問1では、売られている飲料水が入っている「入れもの」に関する問題が出題されました。ペットボトルと缶の比較、またはそれぞれ形が違うものを比較し、なぜそのようになっているのかということを比較、考察させる問題でした。



 みなさんにとっては「ペットボトル」入りの飲料が当たり前になっていると思いますが、先生が子供のときには「缶」入りの飲料が広く普及していました。お店でもそうですが自動販売機でも同じですね。最近見かけることが少なくなりました(設置台数が少なくなったのではなく、ペットボトルや缶の自動販売機が増えたので見かける機会が減ったということです)が、紙コップでの自動販売機もたくさん見られました。また、映画館や飲食店ではガラス瓶入りのジュースやお酒(ラムネがイメージしやすいですかね)が当たり前のように出回っていました。



 ペットボトルが普及したのはここ20年くらいのことです。最初は大型(大きなペットボトルですね)のものが普及し、規制が緩和された後にみなさんが今手に取るような小型のものが普及されるようになりました。ガラス瓶は重く簡単に割れてしまいますが、ペットボトルは軽くて丈夫です。缶は中身が見えませんが、ペットボトルは透明なので中身が見えます。ペットボトルが普及してきたことには科学技術の進展とこのような背景があると言えます。



 さて、では「缶」に目を向けてみましょう。



 世界で初めて「缶」(ここでは正確に書くと「缶詰」ですが)をつくったのはナポレオンであるといわれています。彼が軍隊を率いて遠征する際、一番ネックとなった問題は兵隊たちの「食料」でした。


 遠征をするので食料を長期間持ち歩かなければなりません。当然、生の食材や保存するための加工をしていない食材は腐ります。また、卵が一番イメージしやすいと思いますが、ちょっとした衝撃で割れて(壊れて)しまいます。


 これらを解決する手段として、まず初めに提案されたのは、ガラス瓶に食料を詰め、加熱殺菌し栓で密封するというものでした。何もしていない状態よりは食料の運搬は便利になりましたが、ガラス瓶が重くかさばること、ガラスなので衝撃で割れてしまうことなどが問題点として挙げられました。



 そこで登場したのが「缶」でした。当時の技術でも金属をうすく広げ筒状にし、ふたをして密封することができました。これである程度までの問題は解決し、軍隊を中心に「缶」入りの食料や飲料が普及しました。しかし、一般家庭に「缶」が普及されるのはまだまだ後です。なんと、当時は「缶切り」が無かったのです。簡単に言うとナイフや石などを使って一生懸命缶に穴を開けて中身を取り出していました。缶切りがつくられてから広く一般家庭に普及するようになりました。



 現在では「缶」入りの飲料は缶切りがなくても開けられますね。ステイオンタブ式という開け口がついています。金具を起こして、倒せば飲み口が開きます。みなさんにとっては当たり前だと思いますが、この開け口は金具が外れることなく開け口を開けることができます。以前はプルタブ式と呼ばれる開け口で、金具を外すことで飲み口を開いていました。開けた金具がそこら中に捨てられてしまうことから(安全面についても考えて)、現在のように金具が外れない形へと変わっていったのです。



 「缶」に着目していろいろと書きましたが、この問題のテーマである「ペットボトル」「缶」に関してはまだまだ面白い背景、今後のさらなる発展への展望があります。残りは次のブログで紹介したいと思います。



 今身のまわりにあるもののすべてを「当たり前」と思わないで。



「どうしてこうなっているんだろう?」



「こうすればもっと便利になるかな?」


 

 そんなことを常に思い続けることができる受験生に。


 


 頑張れ!受験生!


 


 


 


 


関連記事related posts

エクタス理科より

2020年 理科入試問題予想 時事問題

今年度のニュースの中で、出題されそうなものを3つ選びました。 桜蔭中の過去問形式にしてみましたので、ぜひ挑戦してみてください。 ■以下の文の空らん①~⑩をうめなさい。 (1)2019年( ① )月12日に静岡県伊豆半島に…

エクタス理科より麻布中

2021年ノーベル賞

先日、眞鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞しました。 受賞理由は、50年以上前に「大気海洋結合モデル」をつくったことで、これは現代の気候研究の基礎となったとされています。 「大気海洋結合モデル」とは、簡単に言うと、数か月…

エクタス理科より

発光生物の不思議

  今回は、最近テレビで観た深海の生物について少し話をしてみましょう。   深海はとても大きな水圧がかかり、水温も低い、生物にとってとても厳しい世界です。しかも太陽の光がほとんど届かない暗黒の世界なの…

新着記事latest posts

no image

2022/1/27

エクタス国語科より

2022年 灘中 国語の入試問題を紹介します。

<1/15 1日目> 試験時間40分 満点80点 随筆文1題 記述2問 知識問題 解答形式 記述1~2行の枠 字数制限なし 大問1 随筆文 出典は日高敏隆『動物はなぜ動物になったか』からの出題でした。設問後半は毎年恒例の…

エクタス国語科より

no image

2022/1/24

エクタス渋谷教室ニュース

『新小1プレスクール』

新小学校1年生の皆様にエクタスの授業をご体験いただける『新小1プレスクール』をエクタス各校舎で開催いたします。日時は2月12日(土)・19日(土)・26日(土)、10:30~12:00となっております。また、お子様が授業…

エクタス渋谷教室ニュース

no image

2022/1/22

お知らせ

2022年合格速報(1/25更新)

浦和明の星女子中学校 17名 渋谷教育学園幕張中学校 9名 栄東中学校 (東大特待) 31名 灘中学校 5名 西大和学園中学校 5名 ※合格実績は全国学習塾協会が定める基準に沿って集計しており、講習生・テスト生は一切含ん…

お知らせ

pagetop