皆さんは3年前の4月7日、何があったか覚えていますか?
3年前のこの日は、コロナ禍における最初の緊急事態宣言が発出された日です。このとき対象となったのは、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県でしたが、その後4月16日には対象を全国に拡大しました。緊急事態宣言が発出された地域の都道府県知事は、住民に対し外出自粛の要請や学校などの休校、商業施設の営業自粛や営業時間の短縮要請ができるようになります。皆さんも学校や保育園、幼稚園が一斉休校(休園)になったのを覚えているのではないでしょうか。学校だけでなく、エクタスのような学習塾も対面授業が中止になったので、当時塾生だった生徒さんは教室から送られた教材で学習したのを覚えていると思います。その後、制限と緩和を繰り返しながら3年間の時間が過ぎ、今ではマスクの着用も個人の判断に任されるようになりました。これからもさまざまな試行錯誤を繰り返しながら、コロナとの付き合い方を探り続けていくでしょう。
さて、この3年間の入試でも、コロナに関する問題が数多く出題されました。その中の一つ、2021年の聖光学院中(第2回)で出されたものを紹介します。縦軸に株価、横軸に2020年1月〜2020年6月の時間を取ったグラフが4つ示され、それぞれ、家具店、家電量販店、化粧品メーカー、ドラッグストアの4業種の株価の変動を表しています。4つのグラフのうち、3つは2020年4月以降の株価が上昇していますが、残り1つは横ばいの状態です。その横ばいになっているグラフがどの業種のものかを考える、という問題でした。
多くの生徒さんはまず「株価」という言葉に身構えますが、株価の説明は問題文中にあるので、知らなくてもなんとか解くことはできます(とはいえ、日頃からニュースを見て知っている子のほうが有利です)。コロナ禍によってどのように生活が変わり、どんなものがより必要になったか、あるいはあまり使わなくなったかを想像できるかどうかがこの問題を攻略するカギになります。「より衛生に気を使うようになった」「家で過ごす時間が増えた」「テレワークやオンライン授業のために新たにパソコンなどが必要になった」「人と顔を合わせる機会が減ったり、マスクで顔が隠れたりしたため、化粧をしないで過ごす人が増えた」ことなど、言われてみればすぐに納得できることを自力で導き出すためには、こうした日常生活での当事者意識が必要、ということですね。
今後コロナ禍の振り返りや検証が進むと,より深く考えさせる問題や,他のものと複雑に関連付けた問題も増えてくるかもしれません。そうした問題にも立ち向かえるよう,世の中にアンテナを張り続けてくださいね。