前回は地形図について書きました。今回は略地図(以下白地図と記します)についてお話しします。白地図というと、自分でいろいろ書きこむ地図のイメージがありますが、ここでは地形図と区別する意味で、あらかじめ平野や河川などが書きこまれている地図を指すものとします。
入試問題で扱う白地図は、日本全体や、地方別、都道府県別であったりします。さらに細かく河川の河口だけ、半島の一部分だけであったりいろいろです。
白地図でおもに問われる内容について以下に記します。
地形関係 … 気候や農業に絡めての出題が多い
平野・河川・盆地・台地・火山・山地・山脈
・高地・湾・半島・岬・湖
都市名 … 水産業・工業・公民分野などに絡めての出
題が多い
都道府県庁所在地・漁港・工業都市
これらの内容は、小5前半のうちに名前(もちろん漢字で)と場所をマスターしておくべきです。そして、日本全体の地図、地方別地図、都道府県別地図でそれぞれ場所を覚えておきましょう。
おもな白地図の出題方法について以下に記します。
一般的な出題 … 基本的な白地図を使って出題
最難関校での出題 … ほんの一部分だけ拡大した地図
わざと大雑把な略地図にしてわ
かりにくくしている地図
最難関校の出題でもっとも難しいのは、受験生が地図を頭に入れてあることを前提にして、地図を出さずに聞いてくる場合です。
どう学習していくのか、なにかいい方法はあるのかと聞かれても、やはり基本を徹底的に行うことからしか成果は生まれません。
ただ、やみくもに一生懸命覚えるのではなく、それぞれの位置関係に注意を払いつつ覚えることが大切です。
河川の河口にある都市名。河川に沿っている盆地の大きさの違い。特に平野、河川、盆地などはセットで記憶しておくとテストの時に有利だと思います。たとえば、最上川→米沢盆地、山形盆地、新庄盆地、庄内平野とか。そこにその土地の産業を乗せていくことで知識に厚みを持たせます。
国内のことだけでなく、日本の「ある地点」の近い外国の都市を聞かれたりもします。
たとえば、フランスの首都パリは、日本近郊で考えると樺太の南の方になります。こちらが思っているよりもかなり北にあります。エジプトの首都カイロは、鹿児島県の屋久島の辺りになります。砂漠とピラミッドの国なので、もっと南のイメージがありますよね。
地図の学習は時間をかけてじっくり行うことが大切ですし、そうでないと身につきません。入試前の追い込みの時期に復習し始めても手遅れです。5年生ならこの時期にしっかりと時間をかけるべきですし、6年生なら少しずつでもいいので今から復習を始めるべきだと思います。