以前のブログで数回にわたり、受験算数で結果を残すための考え方について書いてきました。そのときから3年ほど経過しましたので、今一度算数の学習に関して書いておきたいと思います。
一見関係のない話から始めます。例えば株式などで投資を始めるとしましょう。シンプルに考えて「できるだけ安く買って、できるだけ高く売る」ことが当面の目的になりますね。その差が収益になるからです。ですが、ここで問題が2つ生じます。
A「今安いこの銘柄は今後本当に値上がりするのだろうか?」
B「だったら今の時点でそれなりの価格の有名な銘柄を買った方が良いのでは?」
まず、Aに関してですが、未来のことなので正確なことは誰にもわかりません。それこそ信じて行動するのみです。経験によってある程度確率を高めることができるのが救いです。不安ですよね。
そしてその不安な気持ちがBへつながります。さらにBを選んでも確実に失敗するとは言い切れないところがまた難しいです。Bを選んでしまうのは「安心」したいことが一番の要因です。
さて、勉強の話に戻します。算数の成績が伸び悩んでいる受験生の大半は「今目の前の問題を正解すること」のみに固執しているように見受けられます。確かに入試当日は問題を解いて正解をする必要があります。ですが、今日の問題の正否と、当日の問題の正否には直接の関係ないのです。では何のためにたくさんの問題を解いて努力をしているのでしょうか。
それにはいくつかの目的があります。
①今失敗することでその原因を確認し、同じ様な失敗を繰り返さないようにすること
②以前の授業等で先生が話していたことを思い出し、正しい判断や行動をとれているか確認すること
そして、最終的に
③正しい動きの結果として正解を得、得点と自信を得ること
です。
現状伸び悩んでいるということは、上述の①や②に課題点があると言わざるを得ないわけです。それなのに③にこだわることは順序が間違っていると言えます。本人は一生懸命取り組んでいるつもりなのですが、外から見るとそれはただ無我夢中になっているだけなのです。
確かに、大きく行動を変えることは誰にとっても不安ですから気持ちはわかります。でも、その気持ちを共感して欲しいのか、それとも現状を打破して結果を変えたいのか、を決めないといけません。
そのために塾の先生は、受験生が勇気を持って行動を変えられるように指示や後押しの声かけをしますし、逃避行動をとってしまった際には厳しい言葉をかけてでも奮い立たせる必要があるのです。
仮に現在小6の受験生でも、①や②を意識して行動してたけれども結果としては×だった…というケースは往々にしてあるかと思います。それでも無意識の×とは大きな違いがあるのです。そこに「学び」があれば「成長」につながります。だめな×なのか、良い×なのか、その線引きが今は重要なのです。個人差(や教科の差)はありますが夏休みくらいまではこの考え方で良いと思います。
因みに、後期になり結果の得点を意識する段階では×は理由の如何に関わらず×なので、そこは厳しく対応せざるを得ません。
前のブログでも書きましたが、御三家をはじめとする最難関中学入試では
①状況を正しく観察整理し、②一見未知のものを経験に基づきル時の既知のものへと置き換え、③正しい判断をし、④正確に処理をし、⑤本当に正しいかを検証し、⑥それを人に正しく伝える、ことができるかどうかが必要です。
この①から③の力は経験に基づき成長していきます。学問に近道なし、と言われる所以です。
ここまでのことが腑に落ちていると、一喜一憂することなく一本筋の通った学習ができるようになると思いますし、負けをプラスに転じることもできるようになるはずです。何より算数や勉強そのものが楽しくなる可能性が増えます。
塾の先生たちは、指導者であると同時に伴走者でもあります。受験まで力を合わせて一緒に戦い、合格を勝ち取りましょう!