新しく受験勉強を始める人たちも多い時期ですので,今回は算数の勉強の仕方について書いてみたいと思います。算数は積み上げ教科とも言われ,一朝一夕に成果が出にくい教科です。そのためか,向いている向いていない…のようにセンスで評価されてしまうこともあるようです。もちろん本当の意味での最上位までいけばそういった要素も関わってくることは間違いありませんが,一般的に算数の成績に悩んでいるケースではほぼ勉強の仕方に起因している印象です。
そしてひとくちに勉強の仕方,と言っても多岐にわたるのも事実ですので,今回は授業の受け方について書いてみます。なおエクタスは復習型の進め方をしている塾ですので,授業を受けるための予習等はしていない前提です。
せっかく塾に通っているのに成績面で差がつく実は大きな違いは授業の受け方であることが多いです。同じような成績の2人が居て,それぞれ自分なりに宿題もやっているのに時間とともに成績に開きが出てくる…。それは授業中の意識や視点によるものです。
上手くいっていない生徒さんの場合は,授業中に○をもらって褒めてもらうことが目的になっているケースが多いです。先生に何か指摘されるとがっかりしてしまいます。解説も先生の言っていることを聞いて解ったから大丈夫(ノートも言われないと書かない,ただ写しているだけのことが多いです),つまり現状の自分を評価する場になっています。
一方で成績が伸びていきやすい生徒さんの場合は,授業中の○×はそれほど気にしていません。そして解説では先生の言おうとしていることを考えながら,自分に足りないこと,次にどうすると良いのかを考えています(ノートにそういったことが記録されていきます)。つまり未来の自分を創るための場になっています。こうやって比較して書くと納得すると思いますが,当の本人たちは自分なりに頑張っているのでなかなか問題の本質に気づきません。そして両者の差が開き目に見えるのは,学年も進み,受験生としての点数を意識する場になってからです。こうなってしまうとここから状況を変えていくことはなかなか大変です。
スポーツにおけるトレーニングは未来の自分のための努力であることは自明です。それなのに勉強になると目の前の結果に意識がいきがちなのは不思議な話です。上手くいかないことには必ず原因がありますが,その原因が目先のこととは限らないのです。
算数における課題点を本人や保護者の方に尋ねた場合,多くは単元名での回答が得られます。ですが,ここまで書いてきたように,行動面や姿勢面での意識に起因することも多いのです。まずは意識を変えて,結果行動が変わることで成績結果にも良い変化が出てくるはずです。日々の学習を見直すきっかけになってもらえると幸いです。
【算数を勉強する上で】
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