算数ができるということはどういうことでしょうか。一言で表すことは難しいですが、特に受験生にとっては合否が得点という形で評価される以上、算数ができる=入試問題で得点できる、と言えるでしょう。そしてほとんどすべての問題において、算数は計算を伴いますし、どんなに優れた発想をしても正解にたどり着くためには正しく計算処理を行う必要があります。厳しい言い方をすれば、全く考え方が解らなかった人と、方針は解ったけど計算ミスをして答えがちょっとずれた人の評価は同じと言うことです。学習をしていく課程では、指導者側は両者に対して異なる評価をしていくケースも存在するかとも思いますが、試験当日に関しては、一部の学校を除きミスはミスとして扱われます。そして上位の学校はおそらくそういった計算ミスに対して厳しい評価をしている、と見受けられます(2022年度の最難関入試問題は全体的に計算処理の重い問題が多かった印象です)。
そんな訳もあり、新学年のスタートのタイミングで、是非計算力について意識した上で練習を行って欲しいと思いブログの記事にした次第です。計算力は練習すれば必ず上達します。そして、せっかくですのでただなんとなく問題を面倒に感じながらやるのではなく、様々な先生がブログで書いている様なことを意識しながら行うとより一層の効果があるのではないでしょうか。せっかくですので1問題だけですが、実際の入試計算問題を見てみましょう。
2022年度 駒場東邦中に出題された計算問題です。

いわゆる分数・小数の混合計算で、0.25が1/4であることなどの基本知識も当然盛り込まれています。また、何でも分数にすれば良いというマニュアル処理ではなく、ところどころ小数で計算していくことで効率が上がるようにもなっていますし、かっこの中のたしひきも通分の方法で工夫ができるようになっています。さらに、最後の計算で6をかけるときが337/100×6になるのですが、じつは今年2022年は2022=2×3×337と素因数分解されますので、見ただけで気づく受験生と力任せに計算した受験生との間に差が出たとも思います。こうして見てみると、たかだか1問の計算問題ですがいろいろと気付きや学びがあることがわかります。
新たな学年が始まり、1年後や2年後…に入試を迎えるべくスタートを切っていくのですが、日々の学習に無駄なことなどひとつもありません。同じ問題数をこなしていても、どう取り組むかで成果に差が出ます。入試のときに笑えるように、充実した練習を行っていきましょう。