こんにちは。エクタスの荒井です。
先日ある小1生の保護者の方から、相談がありました。
「問題を解いているときに、本人は正解か不正解にこだわり、×をつけると泣き出してしまうことがある」とのことでした。
きっと本人は一生懸命に解いたのでしょう。それに対して×をつけられたら不本意なのだろうと思います。その努力に対し私は敬意を表します。しかし、学習において×をつけられることは大変重要なことです。
なぜ間違っているのかを考えることが、新しい発見をするチャンスになるからです。
×がついた問題について、その後に直しをして、復習することは大切な学習です。復習では解き方を覚えることが目的ではありません。別記事にも書きましたが、復習により、情報を整理するなど算数の道具を身につけること、同じ間違いをしないようになること(再発防止)を目指して欲しいです。
先の相談に対しては、
「×を直すことは、実力を一歩向上させるチャンスです」
「失敗は成功のもとです」
「出来なかったことを、出来るようになることが伸びるということです」等と伝え、
笑顔で×をつけた後、励ましてみてはどうでしょうか。と回答しました。
さてここで、笑顔であることが本当に必要でしょうか。
誤ったメッセージを伝えないように工夫すればその必要はありません。
教育心理学では、フィードバックはその内容(問題の正誤など)よりも、方法(肯定的か否定的か)が大きく影響を与えるとされています。そのため大人のジェスチャーが「×という結果は悪だ」という誤ったメッセージにならないように気を配る必要があります。出来なかったこと自体が悪い訳ではなく、その×を放置してしまうことが悪いことなのです。「×という結果は悪だ」という誤ったメッセージが伝わると、最悪の場合は、×であることを隠したり、よく考えずに解答を見たりするようになってしまうことがあります。そうなると本人は課題解決から遠ざかってしまいます。
(負のスパイラルに一旦入ってしまうと、抜け出すのは大変な苦労があります。小1の今こそ肝心です。)
ところで、次のようにフィードバックは3回以上必要と思います。
1回目のフィードバックは非常に大切ですが、経験上難度が高いのは2回目のフィードバックです。2回目のフィードバックでは学習内容に深く踏み込むことが多いです。
エクタスでは本人が自分で気づき、自ら掴んでいただくようにフィードバックします。
間違い
↓ ←1回目の適切なフィードバック
原因の究明(直し)
↓ ←2回目の適切なフィードバック
復習(情報整理の方法確認・再発防止)
↓ ←3回目の適切なフィードバック
再復習
今回は主に1回目のフィードバックについて書かせていただきました。
2回目以降のフィードバックについての詳細は、別の機会に譲ります。
エクタス塾生は皆優秀です。それでもミスをすることはあります。ミスをした後にどのように対処するかが大切です。一緒に乗り越えていきましょう。