算数での「言葉」の学習

2019/11/20

エクタス算数科開成中

先日、小学校低学年の保護者様に「算数が得意になるためにはどのように勉強をしていけばよいのでしょうか。」という質問をされました。せっかく勉強するのであれば、正しく力が伸びていくような学習をしていきたいですよね。私はその質問に対して「まずは新しく出てきた言葉を正しく説明できるようにさせてください。その上で「なぜ」と常に唱えながら学習を進めさせてください。」とお答えいたしました。

算数の学習を進める上で、正しい言葉を身につけていくことは最も重要なことです。算数さらには数学という教科は定義からすべてが始まります。そして、そこから様々な性質を学んでいくのです。にも関わらず、現実としてここを軽視し「答えを出すための技法」の習得に終始している子どもたちも散見されます。その学習姿勢を変えない限りは「答えが出ればそれでよい。」という思考に陥り、結果として「やったことある問題は解けるけど、初見の問題には手も足も出ない。」となってしまいます。

中学校の数学の先生方も、定義を大切にするという点に関しては同意見なのだと思います。例えば今年、開成中学校1年数学Bの1学期中間考査にて『次の用語の定義をかけ』という問題が出題されました。具体的には

 (1)線分AB

 (2)線分AOB

 (3)正三角形

という3問(15点分)で、意味が分からない人はいないはずです。でも、具体的に定義をかけと言われると意外と困る人も出てくるのではないでしょうか。きっと、そんな生徒たちを見越して開成の先生たちはこの問題を出題したのでしょうね。

ちなみに開成高校では2006年度の入試問題で『円周率の定義を答えよ』という問題も出題されています。円周率は小学校5年生の教科書に載っていますし、「円周率とは何か」は誰でも学校で習ったはずです。もし、そんなことなどすっかり忘れていたとしても円周「率」という言葉と「直径×円周率=円周の長さ」という関係からサクッと答えられそうなものですが、現実はそれほど甘くなかったようです。さて、これを読んでいる皆様はサクッと答えられたでしょうか。

このように定義を問う入試問題といえば、1999年度東京大学の数学の入試においても文理共通で『一般角 θ に対して sinθ,cosθ の定義を述べよ。』という問題が出題されました。それも、第1問で。実際、この問題において当時の受験生の中には「一般角θ」とあるにも関わらず、直角三角形を用いた定義を述べたものが少なくなかったそうです。その一方で、きちんと教科書にある定義を大切にし、正統な学習してきた人たちにとってはこの上ないボーナス問題だったはずです。

算数という科目を学んでいくうえでも、「算数だから言葉なんてどうでもいいじゃん」というのではなく、まずは言葉の意味(定義)をしっかりと抑え、それを人にきちんと説明できるような丁寧な学習を進めていくことを目指すと応用する力もついていきます。

関連記事related posts

エクタス大宮校教室ニュースエクタス算数科知って得するマメ知識開成中

「続・続・続・続・続・続・続・続・算数よもやまばなし」

今年の算数の入試問題で多く目にしたのは【会話文による出題】でした。 もともと普連土学園中の定番で、最終問題が会話文形式で、その会話中の   を埋めていくというものでしたが、他の学校は、あまり見かけることがなく、普連土学園…

エクタス算数科

浅野中 2019年算数入試問題より 平方数の和 立方数の和

2019年の浅野中学の入試問題に面白い問題があります。 1×1+2×2+3×3+……+19×19+20×20 を求める問題です。 いわゆる平方数の和の問題ですね。 本来は高校数学で習う問題ですが、…

エクタス社会開成中

開成中2019年入試問題より 社会科よもやま話 その22 

開成中学校の2019年度入試にこんな問題がありました。 問18 下線部⑰について,正岡子規は明治時代に活躍した俳人・歌人です。正岡子規の作品に「行く我に とどまる汝(なれ)に 秋二つ」という句があります。故郷松山に滞在し…

新着記事latest posts

no image

2020/9/30

エクタスニュースエクタス池袋校教室ニュース

あなたを動機づける方法

こんにちは。池袋校の荒井です。 あなたは、なぜ勉強するのですか。 勉強のモチベーションを高めるにはどの様な方法があるでしょうか。今日は教育心理学の視点とエクタスの教室での経験を踏まえて、あなたの勉強の動機づけについて考え…

エクタスニュースエクタス池袋校教室ニュース

no image

2020/9/30

エクタス社会筑駒

社会科の時事問題について筑駒の出題から考える

小6受験生の皆さんは、志望校に向けた対策も本格的に始まり、社会科の過去問に取り組む機会も増えてきました。以前の入試問題を解いていると、いわゆる「時事問題」と呼ばれる出題に遭遇することもあると思います。その年の受験生にとっ…

エクタス社会筑駒

no image

2020/9/24

エクタス大宮校教室ニュースエクタス算数科

「算数のおはなし」

こんにちは。大宮校の宮下です。今回は、算数のアプローチについて考察してみます。 文章中の分数は割合を表していますが、数学ではこのまま分数で処理をすることがほとんどです。しかしながら算数は数学ではありません。算数はエレガン…

エクタス大宮校教室ニュースエクタス算数科

pagetop