次のような問題を考えましょう。
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①
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②
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③
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④
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⑤
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上のような図があります。次の5つの操作に従ってコマを
動かします
ルール
操作1 ①においてあるコマは,次に②か④に動かす。
または①にとどまる。
操作2 ②においてあるコマは,次に③か⑤に動かす。
操作3 ③においてあるコマは,次に①か④に動かす。
操作4 ④においてあるコマは,次に②か③か⑤に動かす。
操作5 ⑤においてあるコマは,次に①か②か③に動かす
たとえば②からスタートして,5回の操作を行うと,コマは
②⑤①①①④と移動することができます。この
「②⑤①①①④」を移動の表記と呼びます。
このように②からスタートして5回の操作でコマが④にいる
ような移動の表記を「②⑤①①①④」も含めて
すべて書き上げなさい。
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このような問題は,やみくもに考えても正解は出ません。
また,まともに数え始めるとキリがなく思われるかもしれま
せん。この場合,前からと後ろからの両方向から可能性を
限定していくトンネル方式が有効です。
まず,②からは③か⑤,また④に動けるのは①か③なので
②③□□①④,②③□□③④,②⑤□□①④,②⑤□□③④
次に③からは①か④,⑤からは①か②か③に動けるので
②③①□①④,②③④□①④,②③①□③④,②③④□③④,
②⑤①□①④,②⑤②□①④,②⑤③□①④,②⑤①□③④,
②⑤②□③④,②⑤③□③④
①□①と動かせるのは①①①,④□①と動かせるのは④③①と④⑤①,①□③と動かせるのは①②③と①④③,④□③と動かせるのは④②③と④⑤③,②□①と動かせるのは②③①と②⑤①,③□①と動かせるのは③①①,②□③と動かせるのは②⑤③,③□③と動かせるのは③④③
よって
②③①①①④,②③④③①④,②③④⑤①④,②③①②③④,
②③①④③④,②③④②③④,②③④⑤③④,
②⑤①①①④,②⑤②③①④,②⑤②⑤①④,②⑤③①①④,
②⑤①②③④,②⑤①④③④,②⑤②⑤③④,②⑤③④③④
の15通りとなります。実はこの問題は今年2016年度の開成
の入試問題を改題したものですが,この問題を正解した生
徒がやはり合格をしっかり勝ち取っているようです。いかに
効率よく漏れなく書き上げられるか,研究しておきたいテーマ
です。