コロナ禍で延期されていた東京五輪ですが、いよいよ開催が近づきました。本来であれば昨年開催されもう終わっているはずのオリンピック。去年予定通り開催されていれば出場できたかもしれないのに延期されたために出場できない選手もいれば、逆にこの1年で実力を伸ばし出場切符を手にした選手もいるようです。
中学受験でも似たようなことがないわけではありません。低学年のころからきちんと受験勉強をしてきてほぼ合格間違いない、と思われた生徒がその年に限って苦手な分野からの出題ばかりで不合格…とか、模試の結果からは合格可能性が極めて低かったにもかかわらず、当日の問題が自分に解きやすいものばかりで合格を勝ち取った…等々。
昔から、こうしたことには運・不運がつきものとよく言われます。でも、「運も実力のうち」などと聞いたことのある人も多いと思います。すべてを運任せにしていては、当然のことながら合格など夢の話。自信をもって試験会場に足を運ぶためにも、日々の努力を欠かせないのは言うまでもありません。
運・不運のひと言で片づけてしまうのは簡単ですが、長年生徒たちの様子と受験結果を見るたびに、やはり日頃努力をしている生徒には運も味方してくれているように感じます。もっと言うなら、運を呼び込む生徒がいるように感じます。
そう思える生徒の共通点は「自分に正直になる」「課題を愚直にこなす」点です。人間は、自分の欠点(=できない点)を認めたくない気持ちがどこかにあるものです。「なんでこんなこと書いちゃったんだろう…」「本当はわかっていたのに…」いわゆるケアレスミスも、得点できなかったことは事実です。なのに、「本当はできるのだから」と、深く反省しない。反省しないから同じ失敗をする…
本当に「伸びる」生徒は、簡単なミスほど悔しがります。そして、自分がそうした間違いをしたことを忘れてしまわないように徹底的に解き直したり練習したりします。自分はこれが出来なかったと正直に認めるから、そうした努力も厭わないのです。
課題への取り組み方も大変重要です。面倒くさいけどやらないと叱られるし…などと思いながら向き合う課題なら、成果は半分以下でしょう。それぞれの先生たちは、「これをやってもらうことで生徒の成績を伸ばしたい」と、課題を与えています。それを信じ、とにかくやり切ろう、そしてさらにどんなことをしたらいいか聞きに行こう…と考えられるような人は間違いなく伸びていきます。ただ機械的にこなすだけでは、効果も半減です。
いよいよ、長い夏休み。受験生はこの夏の成果が合否に直接影響するといっても過言ではありません。その大切な時期に、実りある学習ができるように、気持ちの持ちようも変えていき、「運を呼び込める」ようになってほしいと思います。