首都圏は外出を控えなければならない事態になりました。早く普通の生活が送れるようになることを祈っております。
さて、家の中でできることとしてTVゲーム(この言い方も古く感じるようになりました)や模型、手芸などが注目を集めているようですが、国語担当としてはやはり読書をお勧めしたいと思います。
ただ、書店や図書館に出かけることはできないので、家にあるものを読むことになりますね。お父様お母様が昔読んでいた本が残っていれば幸い。
時代をこえる作品はもちろん全世代で共有できますし、時代が変わっていたとしても、そのこと自体が勉強になります。
例えば体罰。体罰を正当化してはなりません。しかし、それが普通であり、親父のげんこつ、お母さんのお尻ペンペンが愛情として受け止められていた時代があったことは知っておかないと、過去の名作に接したとき、作者の意図したものと違う受け取り方をすることになりかねません。
ご家庭で一緒に過ごす時間が増えますから、そういった時代の背景を説明してあげてほしいと思います。
私も親戚のおさがりの古い本を読みました。特に覚えているのは未来を描いた図鑑です。
・高周波で人口太陽を作り、冬の日照時間を延ばす
・ベーリング海峡にダムを造り、北極圏を温暖化
・核爆発で工事
などなど。現在の目から見るととんでもない話ですが、かつてそういう案があり(核爆発工事は実験が行われたようです)、子供向けの本にも紹介されていたことは、今の私が人間と人間の先を見通す能力を考える材料になっています。
子供のころは興味本位で読んでいましたが、その時に父や母に話を聞きながら読んだことが誤解・誤読を防いだと思っています。
一緒に声を出して読まなくても、質問されたら答えてあげる。そんな時間がお子様の常識的判断・常識的反応を育てることになるでしょう。