ギリシア語の「機会(チャンス)」を意味する単語を神格化した「カイロス」という男性神がいます。ゼウス神の末子とされています。
この神の彫像は、「前髪が長く、後頭部は禿げ上がった少年」として表されることが多く、一度見たら忘れられない風貌をしています。
このことから「チャンスの神は前髪しかない=好機は訪れた時につかまえないと、後から捕まえることはできない」という言い回しが生まれました。
また「人生には二度同じチャンスが訪れる=一度チャンスの神の前髪をつかみ損ねてもまた同じチャンスが訪れる。だから一度失敗しても次のチャンスに備えて準備をしておくこと」という言い回しもあります。
焦って物事を進めると判断を誤ることが多くなります。でもチャンスが到来した時に迷っていたらチャンスを逃してしまいます。いつでもチャンスをつかめるように、普段から準備を怠らないよう心がけられるといいですね。
国語という教科の準備で最も大切なことは「語彙量を増やす」ことです。
小3の教材に萩原朔太郎の「夜汽車の窓で」という詩が載っています。散文詩という形も珍しいですが、小3の子には難しい言葉がたくさん使われています。この詩を授業で扱ったとき、理解の差は日ごろの子どもたちの「言葉の環境」でつきました。
入試当日、初見の言葉が少なければ少ないほど、文章を読み解く時間を少なく抑えられ、一問でも多くじっくり考えることができます。
「言葉の環境」を早期に整え、中学入試というチャンスをつかんでもらいたいと思います。