国語の問題で扱われる文章は、主に説明的文章と文学的文章で、これは昔から変わりません。けれどももう少し細かく、たとえば作者・筆者を調べていきますと、複数の学校で出題されている本は時代により変化があるようです。
今年目立って多かったのは稲垣栄洋さんの『植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし』(ちくまプリマー新書)。
開智中、サレジオ学院中、淑徳与野中、洗足学園中、本郷中、横浜共立中などで出題されていました。また、同じ稲垣さんの他の著作から、栄光学園中、大妻中、慶應義塾湘南藤沢中でも出題がありました。
辻信一さんの『弱虫でいいんだよ』(ちくまプリマー新書)は浦和明の星女子中、吉祥女子中、栄東中、日本大学中で出題されました。
文学的文章では佐川光晴さんの『大きくなる日』(集英社文庫)から学習院女子中、共立女子中、日本女子大学附属中、武蔵中、立教新座中で出題がありました。
同じ本から、ということではありませんが、宮下奈都さんの作品が鴎友学園女子中、神奈川大学附属中、吉祥女子中、栄東中、城北中、東洋英和女学院中で出題されています。
さて、受験生の読書ですが、非常に時間が限られていますので、なかなか難しく、日々の国語のお勉強で、文章に親しみ、文章を楽しむのが現実的です。しかし、夏休みの読書感想文のように、「しなければならない」読書のときは、上記のような、複数の学校で出題されている文章を読んでみてはいかがでしょうか。「今」「中学校の先生が受験者に理解してもらいたい文章」を味わうことが出来ます。いわゆる子供向けの文章ではありませんので、お父様お母様も一緒にお読みになり、感想を話し合うのもいいですね。