今年は、西暦2021年ですね。西暦の1の位が『1』になると、気象庁で用いるデータの『平年値』が変更になります。
2020年までの10年間は、1981年~2010年の30年間の気象データを用いて平年値を計算していました。
そして、今年2021年からの10年は、【1991年~2020年の30年間】のデータで計算することになります。
次に、『平年値』がどのように変化したか見てみましょう。
※新=1991年~2020年の平年値
差=新しい平年値から古い平年値(1981年~2010年)を引いたもの
<気温>
・札幌 新: 9.2℃ 差:+0.3℃
・東京 新:15.8℃ 差:+0.4℃
・大阪 新:17.1℃ 差:+0.2℃
・岡山 新:15.8℃ 差:-0.4℃
・福岡 新:17.3℃ 差:+0.3℃
<降水量>
・札幌 新:1146mm 差:+ 40mm
・東京 新:1598mm 差:+ 69mm
・大阪 新:1338mm 差:+ 89mm
・岡山 新:1143mm 差:+ 37mm
・福岡 新:1687mm 差:+ 75mm
<積雪量>
・札幌 新: 479cm 差:-118cm
・東京 新: 8cm 差:- 3cm
・大阪 新: 1cm 差:- 2cm
・岡山 新: 1cm 差:- 2cm
・福岡 新: 2cm 差:- 2cm
①気温は岡山以外の場所で上昇しており、また全ての場所で②降水量は増加、③積雪量は減少しています。
受験勉強をしている皆さんは、①~③の理由を、すぐに答えられますか?例えば、③の理由の1つは、雪が気温上昇の影響でとけて雨粒となるからですね。
この【30年】という期間でも、これだけ大きな変化が起こっていることは、驚きですね。これまで長い間、地球温暖化問題は皆知っていることではあっても、世界レベルでの対策はなかなか進んできませんでした。
それが今、大きな転換をみせてきています。
中学校の入試問題でも、天気の変化や災害などの問題が多く出題されます。
このようなことに関心がある生徒に入学して欲しい、という学校からのメッセージだと思います。
筑波大学附属駒場中、桜蔭などでも天気や災害に関する問題は出題されていますので、ぜひ身の回りの事柄に目を向ける習慣を持ってください。
ところで・・・
前述のデータの中で、なぜ岡山だけ、気温の平年値が低くなったのでしょうか?
実は単純な理由です。岡山での気温の観測地が、2015年に移転したためです。具体的には、市街地中心部にある地方合同庁舎から市街地周辺部の岡山大学内へ移転したそうです。同じ県の中でも、気温の差は大きいのですね。