エクタスでは理科の学習を小4から実施しており、保護者会や面談時に「どこまで漢字で書けるようにしておく必要がありますか?」という質問をいただくことがあります。
私はいつも、「担当が授業中に漢字で書いたものは漢字で書けるようにしておいてください」 とお答えしています。
これには2つ理由があるのですが、今回はそのうちの1つについてお話しします。
以下の開成中の入試問題を見てください。
●問1(2007年)
昨年、8月24日、ある天体が惑星でなくなることが国際会議で決まりました。
惑星でなくなった天体の名前を答えなさい。
難しい漢字は使わなくてよい。
(答)冥王星
この答えの中では、難しい漢字は「冥」で、これはひらがなでよいということになります。
逆に言えば、「王星」は漢字で書かないといけないということです。
●問2(2010年)
下線部①の現象を何といいますか。漢字を使わなくてもかまいません。
(答)皆既日食
この答えの中では、難しい漢字は「皆既」で、これはひらがなでよいということになります。
「漢字を使わなくてもかまいません」と書いてありますが、「日食」は漢字で書いた方がよいでしょう。
それではここで皆さんに問題です。
以上「漢字の方がよい」とした「漢字」に共通していることは何でしょうか?
多くの方はすでにお気づきですね。
答えは「小学6年生までに学習する漢字であること」です。
模試などでは、「漢字で答えなさい」と条件がついている問題(漢字指定問題)以外は、ひらがなで答えても正答になります。
しかしながら、受験雑誌に掲載される「学校にアンケート!採点基準」といった記事では、「漢字指定がなければひらがなで書いても正答で、まちがった漢字を書いたら誤答です」 と回答している中学校があります。
開成中の模範解答は公表されていないため、正確な採点基準は不明ですが、問題に「漢字で答えなさい」と書いていなくても、漢字で書かないと正答にならない “可能性”を否定できないのであれば、漢字で書いた方が無難だということです。
採点済みの答案は返却されませんし。
また、中学校の定期試験で、
「漢字指定されていない問題なのにひらがなで書いたら減点された」
という経験はありませんか?
先生からは
「授業で漢字で教えたのに、ひらがなで書くのはしっかり勉強していないから証拠だ」
と言われたことがあります。
このような学校独自のルールがあることも考慮すると、できるだけ漢字で答えた方がよいでしょう。
最後にもう1題、開成中の問題を見てみましょう。
●問3(2012年)
(ア)に入る気体の名前を書きなさい。
(答)水素
「水素」と答えますか?「すいそ」と答えますか?
次回続編では、私が「担当が授業中に漢字で書いたものは漢字で書けるようにしておいてください」とお話しするもう1つの理由について書きたいと思います。