動物の骨格について
小5の秋の理科の授業では動物の体のつくりや人体について指導する機会があった。「2足歩行によるかかとの発達」や「動物による骨盤の違い」など、記憶に新しいのではないだろうか。しかし、教科書や授業で学ぶ「動物の体のつくり」はそのごく一部であり、テキストに掲載されている図も少数でしかない。同じせきつい動物どうし、最も身近である人間とほかのせきつい動物の体の作りの違いについて考察できるチャンスがあるとより興味も理解も深まると思う。
私自身、先日行った博物館ではウミガメの骨格をじっくりと観察することが出来た。ヒトの骨格と比較をし、「ウミガメの骨盤にあたるところがどこか」であるとか、ウミガメの前足のつき方、鎖骨の位置の違いについて学んだ。中でも最も興味深かったことは「背骨とろっ骨」の位置にある骨が平らになっており、それが甲羅を形成していることだった。ヒトと同じ「背骨とろっ骨」なのにもかかわらず、環境に適応し異なるつくりになっていることに感動を覚えた。
エクタスの生徒たちにもさまざまな観察を行ってほしい(小6を除く)が、より学び、より興味に繋げるためには「普段の学習から得た知識」が必須である。例えばイルカを見たときに「魚類の尾びれがたてなのにイルカの尾びれは横向きなのはなぜか」と考えるためには魚類の骨格について知っていなければならない。
聖光学院で「鮭の切り身」が鮭の体のどの部分かを問う出題があったがそういった「テキストに出ていない問題に対しても対応するためには、授業でしっかり知識を得て、それを元に観察したり問題をしっかり解いたりする必要がある。「テキストだけ」を勉強するのではなく「テキストから」勉強する。テキストを飛び出して観察し、想像する。「わからない」と逃げるのではなく「こうではないか」と予測できる受験生になってほしいと思う。
最後に私が観察をした博物館を紹介する。「せきつい動物の体のつくり」や「昆虫のつくり」、そして「日本の昔の農業」の勉強を予習してから行くと絶対に面白いと思われる。
ぜひたくさんの疑問や学びを得てほしい。
日本大学 生物資源科学部 博物館(無料)
小田急江ノ島線 六会日大駅 徒歩3分