受験生の皆さんは過去問演習も本格的に始まり、日々の学習に熱の入っている時期になりましたね。結果を出すためには、ミスしそうな場所を正しく認識した上で正解にたどり着く必要があります。ミスしそうなところに気づく力は、たくさんの問題を解くことで経験値として身についていきます。逆に見方を変えて、一度問題を作ってみることが役立つ場合があります。
例えば、ひとり暮らしをしたことで家事の大変さに気づく例や、サッカーのフォワードにわざとキーパーの練習をさせてどのコースのシュートが反応しにくいか実体験させる例などがあります。
次の問題を考えてみましょう。
【問題】
1・2・3の3枚のカードがあります。これらを並べてできる3けたの数の総和はいくつになりますか?
全部で6通りしか存在しませんので、全部書き出して足しても正解は出ます。
ですが、書き出した数のそれぞれの位にある数字の決まりに気づくと…
(1+2+3)×2×111=1332 が求まります。
では、このきまりを利用すると、他にどのような問題を考えることができるでしょうか?
使う数字を変えたり、けた数を変えたりすることは比較的容易に気づきます。それも立派な改題です。他にはどうでしょうか。
例えば…
【問題】
3枚のカードがあり、それぞれ数字がひとつ書かれています。これらを並べてできる3けたの数の総和が1332のとき、3枚のカードの組み合わせは何通り考えられるでしょうか。
先ほどの問題の条件の与え方を逆順にしただけですが、実は難度が跳ね上がります。
1332÷111÷2=6 … 3枚のカードの和
(1、1、4)(1、2、3)(2、2、2)の3通り…ではないのです!
(1、2、3)のときは、先ほど同様に
(1+2+3)×2×111=1332 で問題無いですが、
(1、1、4)のときは、考えられる並べ替えが3通りしか存在しないので、
計算すると、(1+1+4)×111=666 になってしまいます。
つまり、最初の段階で場合分けをする必要があったわけです。
正しくは
①3つの数がバラバラのとき
1332÷111÷2=6 … 3枚のカードの和
(1、2、3)の1通り
②3つの数のうち2つが同じとき
1332÷111÷=12 … 3枚のカードの和
(2、2、8)(3、3、6)(4、4、4)(5、5、2)の3通り
※(4、4、4)は条件を満たしません!
③3つの数がすべて同じとき
1776は4けたなので不可
となり、4通りが得られます。
受験生はなかなか落ち着いた時間がとれない時期ではありますが、このように考えていくことで、結果的に効率良く考える力が身につき、結果として得点力も上がると考えられます。急がば回れ! 楽しみながら学習を頑張ってください。