ものの覚え方

2020/11/2

エクタス算数科

さて、いきなりですが問題です。


―――素数とはどんな数ですか? 

皆さんは何と答えたでしょうか。
授業を現場で実際にやっている立場で言えば、圧倒的に多い解答は「1と自分でしか割れない数」です。…そして、これは誤りです。
参考書などには、「2以上の数で1と自分でしか割れない数」と書いてあることが多いです。
もちろんこれは正解です。そうやって覚えている人も多いかと思います。

ですが、実際に使えるかどうか、という視点で考えると微妙な覚え方になります。算数の問題として素数の説明そのものを書かされることはほとんど無く、実際の場面では素数を正しく認識しているかどうかを判断する問題が出されます。作問者は、問題を解く立場の視点に立ち、解答できるかどうか、または解答が分かれるように問題を設定します。そしてこれは算数に限ったことではありません。例えば、国語で同音異字の漢字の出題があるのもその視点です。単に漢字を知っていれば良いのではなく、場面に応じて正確に使い分けられること、言葉を音ではなく意味で覚えているかが試されているのです。

先ほどの素数の話で言えば、実践的には「約数が2個の数」と覚えることがおすすめです。素数の判別で多い誤答は、まず何よりも1を入れてしまうことです。1の約数は1のみで1個ですので、この覚え方で誤答を防ぐことができます。2個とは何?と言われたら、1と自分と答えれば良いのです。そしてこの考え方は約数の個数に対しての意識を喚起していく上でも重要です。約数の個数が1個の数は? 2個の数は? 3個、4個は…?と考えることができますでしょうか。

このように、何かを覚える際には、どんな使われ方をするのか? どんな間違え方の可能性があるか? を考えると一段視座の高い位置からの学習が可能になります。また、これは相手に何かを説明する際にも重要なポイントになります。今日から是非、このような視点で前向きに素敵な学習ができるようにしていきましょう。

関連記事related posts

エクタス吉祥寺校教室ニュースエクタス池袋校教室ニュースエクタス算数科ジュニアブログ

算数でのコーチング

こんにちは、エクタスの荒井です。 今日は低学年の最上位生を対象とした、算数の授業でのコーチングについて紹介させていただこうと思います。エクタスの低学年算数について「算数の授業で行き詰った際に少しだけヒントを出す」と説明さ…

エクタス算数科

さくし

さて、『さくし』と聞いてどんな言葉を思い浮かべますか?パソコンなどで入力・変換すれば、大抵は『作詞(作詩)』が出てくることでしょう。『策士』をすぐに思い浮かべた人はなかなかにマニアックだと思いますし、『佐久市』なら結構な…

エクタス算数科

算数のおはなし その2

こんにちは。大宮校の宮下です。今回も前回に引き続き、算数のアプローチについて考察してみます。 例①  37㎞を11.1分で進むとき,24分で何㎞進みますか。 速さを求めると、37÷11.1×60=200より時速200㎞。…

新着記事latest posts

2024/4/18

エクタス理科より

身近な太陽

2024年4月9日に皆既日食が観測されました。 といっても、日本ではなく北米(メキシコ、アメリカ、カナダ。現地時間で言うと8日午後)でのできごとです。 皆既日食は頻繁に起こるものではなく、かつ時間も短いので、いろいろな分…

エクタス理科より

2024/4/4

エクタス算数科

覚えておくと便利な暦

暦の問題を苦手にしている生徒は意外と多い気がします。日付と曜日を答える問題などはその基本中の基本ですから、しっかり正解しておきたいですね。 【問題】 今年の4月4日は木曜日です。では今年の12月25日は何曜日ですか。 【…

エクタス算数科

2024/3/29

お知らせ

小1コース:【無料】特別体験会

小1のお子さまを対象に、無料で授業体験できる『特別体験会』を実施します。ぜひこの機会にエクタスの指導をお試しください。 ■日程4/6(土)・13(土)・20(土)・27(土) ■会場・授業時間・池袋校:15:50~18:…

お知らせ

pagetop