中学受験の算数を勉強している生徒ならば、円の面積の求め方を知らない人は少ないと思われます。円の面積の出し方は「半径×半径×円周率」と答える人がほとんどでしょう。でも、円周率って何ですか?と聞かれると、ちょっと答えに詰まる人もいるのではないでしょうか。もちろんこれは、「円周の長さを直径の長さで割った値」ですね。ここまでは多くの人は答えられるでしょう。しかし、このような問題を出すと、答えられない人がたくさんいると思います。
問題:円の面積が「半径×半径×円周率」で求めることができる理由を説明しなさい。
円にたくさんの半径をかいて、細い(中心角が小さい)たくさんのおうぎ形に分けます。このとき、弧はとても短くなっているのでほとんど直線とみなしてもよく、このとき、おうぎ形は二等辺三角形とみなすことができます。この二等辺三角形は底辺が弧、高さは半径と考えることができます。円はこの二等辺三角形がたくさん集まったものですから、円の面積は「弧の合計×半径÷2」すなわち「円周×半径÷2」として求めることができる訳です。
円周は直径×円周率ですし、直径は半径の2倍ですから、結局円の面積は、「半径×2×円周率×半径÷2」となり、これを整理して「半径×半径×円周率」となる訳です。
2020年に栄東中学で、「分数のわり算は、÷のうしろの分数の分母と分子をいれかえた数をかける計算に直せばいいことを納得させる説明を書きなさい。」という趣旨の問題が出題されました。あたりまえだと思っていることを説明させる学校が増えてくることが予想されます。円の面積の求め方に限らずあたりまえのことを説明できるように学習しておきましょう。