こんにちは、池袋校の荒井です。
夏期講習の期間、塾生は猛暑の中でも通ってきてくれています。
さて本日は小1ジュニアクラスの算数の授業の様子を紹介させていただこうと思います。
夏期講習(前期)の小1クラスは2日間のみの設定です。算数は2日間とも中学受験の入試問題にチャレンジする貴重な機会となっています。
一題の入試問題は10枚程度のプリントに分解されています。それらのプリントをスモールステップで乗り越えながら一題の入試問題を解いていきます。低学年のうちに筑駒・御三家・駒東の問題にも多数取り組みます。予備知識なしで取り組み、時間は無制限です。解き終えた時の塾生の様子は本当にうれしそうです。
今日の問題は
〇と×と△のいずれかを4つ並べる問題です。(5つ並べる問題もあります。)
×と△は必ず〇の隣に並べるという条件付きです。
小1の皆さん、いくつ書けますか?
ここで2つくらいの壁にあたることが多いです。
教師は、塾生が壁を自ら乗り越えられるように支援します。
小1生の場合、まだ問題に慣れていませんので1つ目の壁は題意の把握です。
もう一つは初歩的なロジカルシンキングに起因することです。
題意の把握については、「もう一度問題を読み直しましょう」とだけ言うこともありますが、
小1生には例を使ったり、たとえ話におきかえたりして説明する場合もあります。
こんな具合です。
「〇は人間だと思ってください。×は犬、△は猫だと思ってください。すぐ隣で人間(〇)が犬(×)や猫(△)をつかんでいないと、犬(×)猫(△)は逃げてしまうので困ります。犬(×)猫(△)の隣には、必ず人間(〇)がいるようにしてください。例えば、〇×××では右2つの犬が逃げて困ります。」
題意を把握できると、次は書き始めますが、まだ小1生です。
最初から漏れなく、重なりなく書き出せる生徒は、優秀生でも少ないです。
〇と×と△を4つ並べる場合は、正解が21通りあります。
5つ並べる場合は、正解が13通りあります。
(プリントでは問題は10枚程度のスモールステップに分解されていて、気づき・発見があるように構成されています)
困っている塾生には、まず
「分けて考えてみましょう」
と声をかけます。
ロジカルシンキングの第一歩は分けることです。
全体を漏れなく、重なりなく分けて考えることです。何を軸にして分けるかは、まだ判断が難しいかもしれません。しかし分けて考えることで、順番にすべて検討することができるようになります。
正解21通り(4つ並べる場合)のうち、10通りくらい書き出して、手が止まっている生徒が多いです。
分け方が思い浮かばず、「ヒントを下さい」と言われることもあります。
その場合は、どのような軸で分ければよいか、具体的に示すこともあります。
「書いたものを人間(〇)の数で分けて考えてみましょう。人間(〇)が4人(個)の場合、3人(個)の場合、2人(個)の場合…」
すると塾生から新しい発見が次々と出てきます。
「あっ、3人(個)の場合はまだあった。犬(×)を猫(△)に替えたのもある!」
「あっ、犬(×)猫(△)が入る場所をずらせば簡単だ!」
「人間(〇)3人(個)の次は、2人(個)の場合を考えてみる!」など
これらの発見ができるところまで来れば、全部書き出すことが出来るようになっているでしょう。
このように分けることによって、順に考えることができるようになり、抜け漏れを防ぐことができるようになります。
なお、分け方には様々な軸があります。素早くできて、ミスが少ない方法を選択できるようになって欲しいです。
参考までに、この問題では最初の2つで分類する方法もあります。
〇〇… 、〇×…、○△…、×〇…、×△…(不適)、△×…(不適)
この分け方は3番目の記号により、2番目が不適になる場合があり、やや複雑になります。
分けて考えることは、ロジカルシンキングの初めの一歩となります。算数の道具の一つとして、ロジカルシンキングへの第一歩として活用して欲しいと思います。