2だけを何回かかけ合わせた積をまとめて2の冪(べき)といいます。
1、2、4、8、16、32、64……などです。中学受験生であれば、2を2回かけることを「2の2乗(22と書きます)」ということも知っておいていいと思います。「2の5乗は32」という言い方になりますね。また2の10乗は1024です。これは、おぼえておくべき知識であるといえるでしょう。
さて今回はこのような2の冪についていくつかクイズを解いてみてください。
問題1.1+2+4+8+……+1024はいくつ?
これは2047です。1から2の10乗までをたした和は、2の11乗から1をひいた数になります。これもおぼえておくと便利な知識ですが、解き方もしっかり理解しておきましょう。
①=1+2+4+8+……+1024します。この式を2倍すると
②= 2+4+8+……+1024+2048 となりますね。
下の式から上の式をひくと、
①=2048-1 になるというわけです。
ちなみに2の冪から1をひいた数をメルセンヌ数といいます。
ハノイの塔というパズルで段の数をNとしたときの最少移動回数もメルセンヌ数であることが知られています。
問題2.連続する整数の和であらわすことができない数を小さい順に6つかけ。
この答えは1、2、4、8、16、32 となります。
3より大きい奇数はすべて連続する2つの整数の和で表すことができます。
さらに1以外の奇数の約数がある偶数も、連続する整数の和で表すことができます。
6=1+2+3、10=1+2+3+4、12=3+4+5 といった具合です。
すなわち、1以外に奇数の約数がない、2の冪である数は連続する整数の和で表すことはできません。この手の問題も過去に入試に出されたこともありますから知っておいて損はありません。
問題3.各位がすべてことなるような2の冪のうち、最も大きい数は?
これは2の29乗で536870912(5億3687万912)となります。
この問題は2倍、2倍をくりかえして計算していくしかありません。数は0~9までの10種類しかありませんので、最も大きな数といってもせいぜい10けたであることがわかります。10けたになるまで計算するしかありません。ただ単に2倍していくだけですからぜひ試してみてください。
ちなみに0~9までの10種類の数がすべて含まれている最小の数は2の68乗で
295147905179352825856
(2垓9514京7905兆1793億5282万5856)
だそうです。
2の冪についてはまだまだいろいろと面白い性質があります。いろいろと調べてみましょう。