1月14日、東京を中心とする首都圏では大雪に見舞われました。東京では平年より11日遅く、昨年より6日早い初雪でした。
冬の日本の天気に関しては中学入試でも頻出の内容です。よくニュースなどでも「西高東低の冬型の気圧配置」という言葉を耳にすると思います。日本の西側であるシベリア上空(シベリア気団、気象の学習でよく聞きますね?)や東シナ海上に高気圧があり、日本の東側である東の海上に低気圧がある、というのが冬型の気圧配置です。風は高気圧から低気圧に向かって吹くため、日本には北西の季節風が吹くことになります。シベリア気団は本来は大陸性であるため、冷たくて乾燥している気団ですが、ここから吹く北西の季節風(空気)が日本海上を通過するときに大量の水蒸気を含みます。この湿った風(空気)が日本列島に到達し、日本列島の中央部にある山脈にぶつかり、上昇気流となって積乱雲が発達し、日本海側には大量の雪を降らせます。この結果、この風(空気)は水蒸気が少なくなり乾いた風(からっ風)となります。この風が太平洋側に吹いてきますので、太平洋側では冷たくて乾燥した風(空気)が吹くこととなります。東京の冬が乾燥しているのはこのためです。
さて、一般的な冬の天気に関する話を書きましたが、上記の理由から乾燥した日が続くことの多い東京の冬、今回の大雪は何が原因で降ったのでしょう。
今回の大雪は「南岸低気圧」という低気圧が原因であると言われています。聞き慣れない低気圧かもしれませんが、一年を通して見られる低気圧です。日本の南海上を北東に向かって進む南岸低気圧が日本の南側にあるときに、低気圧の中心付近では北から流れ込む冷たく乾いた空気(前述の空気)と南から流れ込むあたたかく湿った空気がぶつかっています。あたたかい空気と冷たい空気がぶつかる場所では上昇気流が生じるため雲が大量にできます。南岸低気圧の場合、この空気がぶつかる場所が日本の太平洋側であるため、太平洋側に大雪をもたらすことになります。しかし、この南岸低気圧が通過する場所が、北寄りであると気温が上がるので雨となり、南寄りであると降雪そのものがなくなってしまうため、大変予想が難しいと言われています。
「雪」ということばが使われていることわざに「蛍雪の功」ということばがあります。これは苦労して学問に励んだ成果ということを意味します。晋の時の中国で蛍、雪を集めて明かりとして学問に励んだ2人の人物が、その努力の結果見事に出世をした、という故事からくる言葉です。卒業式などで有名な「蛍の光、窓の雪…」という歌詞もこの故事からきています。不断の努力が最終的に成果につながる、ということです。
2月1日まで残すところあと数日、という時期になりました。悔いのない受験にするために、自分にとって最高の合格をつかむために、今できることはすべてやりきって受験に臨んで下さい。もちろん、寒くなっていますので体調管理にも十分に気をつけて下さい。
頑張れ!受験生!