少し前のことになりますが,2013年の市川中学校で,次のような問題が出題されました。
「1から100までの100個の整数の中で連続する整数の和で表わすことのできる整数は何個ありますか」
例えば,18は18=5+6+7=3+4+5+6ですから,連続する整数の和で表わす方法が2通りあります。12は12=3+4+5の1通り,15は15=7+8=4+5+6=1+2+3+4+5の3通りの表し方があります。
とは言え,こういった表し方を一つ一つ探していくのはいかにも大変です。実は,「連続する整数の和で表わす方法が何通りあるか」は,「1以外の奇数の約数を何個持っているか」によって求めることができます。18の場合は3と9で2個,12の場合は3で1個,15の場合は3と5と15で3個,ちょうど連続する整数の和で表わす方法の数と一致しています。
このことの証明は入り組んでいるので省きますが,1以外の奇数の約数と連続する整数の和で表わす方法がどう関係しているのかについての説明をしておきましょう。
○12の場合…12の1以外の奇数の約数は3です。
12÷3=4より,4を真ん中に置いた3つの連続する整数の和が12に等しいので,12=3+4+5となります。
○15の場合…15の1以外の奇数の約数は3,5,15です。
15÷3=5より,5を真ん中に置いた3つの連続する整数の和が15に等しいので,15=4+5+6
15÷5=3より,3を真ん中に置いた5つの連続する整数の和が15に等しいので,15=1+2+3+4+5
15÷15=1より,1を真ん中に置いた15個の連続する整数の和が15に等しいので…,と考えると負の数に立ち入ってしまうので,和が15になる整数の組が1組あると考えて15=7+8
○18の場合…18の1以外の奇数の約数は3,9です。
18÷3=6より,6を真ん中に置いた3つの連続する整数の和が18に等しいので,18=5+6+7
18÷9=2より,和が9になる整数の組が2組あると考えて,(4,5)(3,6)より18=3+4+5+6
このようにして,1以外の奇数の約数から連続する整数の和によって表わす方法を見つけることができるのです。さて,元の問題に戻りましょう。連続する整数の和で表わす方法がない整数とは1以外には奇数の約数を持たない整数に他なりません。したがって,素因数分解をした場合に奇数の素数が現れない数,つまりは1か,2だけをいくつかかけ算してできる数ということになります。よって,1,2,4,8,16,32,64の7つということになります。