師走も押しせまり、時期的に重大ニュース、いわゆる時事問題を学習している時期だと思います。世間でも「今年の重大ニュースは!」と注目されるのと同様、入試でも時事問題は何が出るのか?と噂される時期でもあります。
この時期、特に保護者の皆様は「何が出る」「何が出そう」という言葉に敏感ですから、こちらとしても非常に言葉を選ばなければなりません。でも、ここは敢えて絞り込みます。
☆ 今年の重大ニュースの中心は…
1 東日本大震災 震災自体よりも、それに伴うできごと
2 世界遺産
3 中国との問題
もちろんこれ以外にも、北アフリカ情勢はどうなのだ、ヨーロッパの経済危機は出るのか、なでしこジャパンはどうなの、と疑問は多いと思います。
上記3点以外の内容も重大ニュースの問題集などを用いて、アウトライン程度は知っておいた方がいいでしょう。時間があるのなら(そんな子はほとんどいないと思いますが)、いろいろな事件をしっかり学習してもいいと思います。
ただ、やり過ぎは無意味です。たとえば、北アフリカ情勢(アラブの春)を学習しようとして、民主化運動のきっかけになったチュニジアやそれに続くエジプト、リビアなどの面積や人口、産業などを事細かにまとめてみても教養としてはいいのかもしれませんが、入試直前にやることではありません。
ほとんどの学校では、時事問題の配点はそれほど多くありません。社会科本来の分野である地理・歴史・公民の学習を削ってまでやる必要はないはずです。
では、出やすいと予想した3点を少しだけ掘り下げます。
時事問題の傾向として、現在進行中の事件については出にくいといわれています。しかし、東日本大震災については触れてくる学校も多いのではないでしょうか。ただ、この震災(地震・津波・液状化等)自体は学習するというよりは、実体験として吸収しているお子さまがほとんどです。
学習するならば、震災が「私たちの生活にどう影響してきているか」を考えるといいでしょう。原発事故から電力不足になりました。食料についてはどうでしょう。身近な生活の中で味わった不便さもいろいろあると思います。それを再確認してみてください。
計画停電などが実施された後ぐらいに、エクタス日暮里校へあるテレビ番組の取材が入りました。子供たちの節電の意識についての取材でした。大人目線の節電とは別に、子どもたちの世界、意識の中でも節電に対する考えはいろいろあるんです。
世界遺産については、今年登録された「小笠原諸島」「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」以外についても学習しておいた方がいいでしょう。たとえば、「原爆ドーム」に代表される負の遺産として「アウシュビッツ強制収容所」「ビキニ環礁の核実験場跡」なども関連させておくことが受験勉強です。
日本の世界遺産について、登録名がやたらと長いものがあります。これを暗記する必要はあるのでしょうか。正式名称なので覚えられるであれば、きちんと暗記するべきだと思います。もし、無理ならば、中心になる言葉(たとえば法隆寺とか琉球王国とか)とそれぞれの場所を記憶してください。意識の高い小学生は、長い言葉だとかえって暗記する意欲が沸くようです。
中国については、中国の経済成長から日本との貿易などにも触れてくるでしょうし、領土問題についても考えておきましょう。尖閣諸島について中国が強硬姿勢を崩さないのはどうしてでしょう。国境付近の海底資源問題も絡めて考えてみてください。
今回は、一応の情報としてあげましたから、これに振り回されることのないようにお願いします。お子さまの手元にある重大ニュースの問題集などを学習する際の参考にしていただき、あくまでもお子さまの学習スケジュールを崩すことなく進めていくことが肝心です。