本コンテンツは、株式会社Z会の情報誌『最難関中学をめざすなら知っておくべき「7つの極意」』(執筆協力:エクタス)の内容を含みます。
算数
問題の取捨選択と枝問の誘導の意図を汲み取る考察力
試験時間は60分。A3用紙たて3枚で、大問数が6題程度。別途解答用紙はなく、問題用紙の中の解答欄に答えはもちろん、式や考え方の記述が必要となる。1枚目は応用問題ではあるものの比較的オーソドックスな出題であることが多い。60点満点で半分の30点が合否の分かれ目になるため、2枚目と3枚目の問題の取捨選択がとても重要になる。どの大問も平易な(1)の意図を汲み取って、(2)(3)…と順に連動させる組み立ての出題になっており、それぞれの(2)以降の取捨選択で前出の30点を確実にしたい。目標は40点。
●和差・割合
例年出題されるが、やりとりや操作が絡むことが多く、丁寧に情報整理する力が必要になる。他の単元に比べて点をとりやすい傾向にあるので、手堅く正解したい。
●速さ
線分図やダイヤグラムを用いる問題が多く、細やかな作業と処理が要求される。とくにダイヤグラムの処理については、柔軟に対応できるようにしておきたい。
●図形
平面図形は様々な出題のされ方をするが、ここでも丁寧な調べ上げやルールの読み取りが必要な場合が多い。一見難しく感じる問題でも、考え方の手順が小問の誘導で示されていたり、図の配置も手がかりになったりと、受験生に優しい作りになっている。また、立体図形もまれに出題されているが、立体感覚を使うというよりも、いかに上手に平面化できるかが勝負の分かれ目になる。
●ルールと規則性
提示された約束・規則に則った数の性質に関する問いが、とくに試験全体の後半で多く見られる。最後の小問は難問であることが多い。(1)など前半の小問は、しっかり読解できていれば手が出せる出題になっているが、なぜその作業をさせるのかといった考察が必要。約数の組み合わせや、最小公倍数に注目した規則性が頻出なので、整数分野の強化が受験には有利になる。
国語
心情と喩えを読み取り、記述で表現する力が必要
●近年は文学的文章1題の年が続いている。記述式解答の割合が大きいが、漢字・選択式・書き抜きの問題も出題される。
●問題文で扱われる内容は、受験生と同年代の主人公が、様々な経験を通じて変化・成長していくものが多い。基本的な感情やその理由を読み取って記述する問題のほかに、「喩え」であることに気づいて記述しなければならない問題もある。
●動物などの人間ではないものが登場人物になっていて、物語全体が喩え話のこともある。その場合は、当然「喩え」に気づくことが大切になる。
●文章は1つだが長く、10,000字程度の年もある。読むスピードももちろんだが、どこに何が書いてあったかをある程度覚えておいたり、印をつけておいたりする習慣も大切。
●記述問題の解答欄はマス目のない2~3行のものが多い。このような短めのものは、核心となる部分をとらえ、それを詳しくしたり、その理由を述べたりして、要素・字数をそろえる訓練をする必要がある。
●解答欄が5行になる長い記述解答を要求する問題もある。こちらは文章全体の広い範囲や複数の箇所を踏まえて、心情の変化をまとめねばならないものであり、文章全体を見渡してまとめる力が必要になる。
●麻布の国語は前述のように「喩え」が非常に難しい部分はあるが、それ以外の問題をきちんと解くことで、合格点をとることが可能である。対策は二段階になる。まず基
本的な感情やその理由の読み取り・記述問題の訓練をし、30点程度(漢字と合わせて30点以上)を取れるようにする。国語を武器としている者は、そのうえで様々なものごとが喩えているもの、象徴しているものに気づき、記述解答に表すことによって、40点以上の点数をねらっていきたい。
理科
知識に頼らず「現場力」が試される50分
●試験時間は50分で、満点は40点。物理、化学、生物、地学から1題ずつ、時事問題や環境問題などを絡めた大問4題構成。小問は30~35問程度で配点は1問1点か2点。内容は、小学生には一見高度な現象や実験を、わかりやすく説明したリード文を読みこなしながら解答していく形式である。リード文に説明されている計算方法や考え方をその場で理解しその場で解答方法を考えさせる、いわゆる「現場力」が試される問題が多く出題される。
●50分という試験時間は一般的な理科の入試の試験時間よりだいぶ長いが、リード文を読むのに時間がかかるため、ゆっくり解くことはできない。また、「麻布中といえば記述」というイメージが先行しがちだが、リード文に絡めた知識問題も出題される。しかし、知識問題は麻布中の受験者であれば基本と言えるレベルのものが出題されるので、知識での失点は禁物。麻布の入学試験問題は、知識、思考、計算、記述と理科におけるあらゆる要素を要求している総合問題といえる。
●麻布中合格のためには、長い文章を手際よく読みこなす読解力、端的に解答する記述力、複雑な計算をこなす計算力、そして、どの手法で解答するかを見極める現場力が必要である。そのような力をつけるために必要なことは2つあり、1つ目は特別なものではなく、通常学習している内容を日常生活の出来事に活用し、得た知識を様々な方面に展開していくことを習慣づけることである。そして2つ目は、麻布の入試過去問題を解き、形式に慣れて現場力を養成していくことである。麻布の出題形式の場合、入試過去問題をピックアップして解くことはしないこと。ピックアップして問題を知っている状態で入試過去問題を解くと短い時間で読みこなす読解力向上につながらず、さらに現場力が養われないからである。しかるべき時期に入試過去問題を解くことで、麻布中の合格可能性が高まってくる。
社会
ひとつの事象を多角的に考える習慣を養う
●毎年テーマに沿って展開される5,000~7,000字程度の長い文章をもとにした総合問題が出題される。各年度のテーマは、2019年度「スポーツ」、2020年度「衣服と社会」、2021年度「食」、2022年度「日本でくらす外国人」、2023年度「公共のもののあり方」、2024年度「教育の歴史」であった。
●問題数は枝問を含めて16~20問程度で、知識問題は全体の約40%、記述問題は約60%の出題割合である。地理、歴史、公民の出題比率は文章のテーマによって異なる。
●試験時間は50分だが、長い文章をきちんと読む必要があり、解答に時間のかかる記述問題が半分以上を占めるためゆっくりと解いている時間はない。文章を二度読みする時間もないため国語の文章読解同様、手がかりを残しながら読み進めたい。
●合格を手にするためには、最低でも20点以上の得点が必要だろう。毎年の推定配点から推測すると、知識問題が10点前後、記述問題が30点前後になる。つまり、知識問題は着実に得点し、記述問題は部分点も含めて半分以上は正解する必要がある。
●記述問題では、「ある事象や言葉を説明する問題」「原因や理由を答える問題」「グラフや表などの統計資料を分析する問題」「地図・写真などを比較して答えを導き出す問題」などが出題される。攻略するには、単に多くの知識を吸収しているだけでなく、自分の言葉でそれらを使いこなす(説明する)練習が必要である。過去問題を解く際にも、答えをひとつ書いて終わらせるのではなく、複数の答えを書くようにして練習することが非常に効果的。作文ではないので、自分の考えを書くにしても、文章内容に沿って解答を構築していくよう日ごろから心がけることも大切である。
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