ブルーム・タキソノミー

2024/1/26

エクタス吉祥寺校教室ニュースエクタス池袋校教室ニュースエクタス算数科ジュニアブログ

低学年での算数の学習、「応用」で止まっていませんか?

こんにちは、エクタスの荒井です。

文部科学省等で議論されている教育目標の分類の1つとして、ブルーム・タキソノミーがあることをご存じでしょうか。この分類を使用して、深い学びを引き出す「生徒への質問」があります。「生徒への質問」については後ほど紹介いたします。まずはブルームのタキソノミーによる教育目標ついて説明いたします。

  • 知識(記憶):これは学習の基礎で、生徒が事実、用語、基本的な概念を記憶し、覚える段階です。
  • 理解:生徒が学んだ情報を理解し、それを自分の言葉で説明したり、要約したり、分類したりする能力です。
  • 応用:ここでは、生徒が新しい状況に既に学んだ知識を応用する方法を学びます。たとえば、数学の公式を新しい問題に応用することが含まれます。
  • 分析:この段階では、情報を部分に分け、その関係性や組織構造を理解することが重要です。生徒は、原因と結果の関係を理解したり、複雑な概念を分解して分析する能力を身につけます。
  • 評価:生徒は情報やアイディアを評価し、判断を下す能力を身につけます。これには、論理的根拠や基準に基づいて、アイディアの妥当性を判断することが含まれます。
  • 創造:最も高い段階で、生徒は新しいアイディアを創造したり、既存の情報を組み合わせて独自の解決策を生み出したりします。

ブルームの分類体系は、教育者が生徒の思考と学習のプロセスをより深く理解し、それに応じた指導を行うのに役立ちます。それぞれの段階は、前の段階に基づいているため、生徒がより高度な思考スキルに進むには、それぞれの段階を順序良く理解していくことが重要です。

日本における教育の問題として一般には、「応用」で学習が止まってしまっていることが多く、「分析」「評価」「創造」が今後の日本における学習で重要だと言われています。

小学校低学年は、「分析」「評価」「創造」の学習を行うチャンスです。高学年の受験カリキュラムでは、多くの生徒は、毎週の学習時間の制約から、「応用」までの学習で時間が足りなくなってしまうことが多いからです。

これらの学習目標に近づけるための生徒への質問(発問)は次のようなフレーズがあります。使用する用語は学年によって異なります。

実際には少し親しみを込めて質問します。

「この問題で見つけたパターンや規則性は何ですか?」

「別のアプローチでこの問題を解く方法はありますか?」

「問題を組み合わせて、新しい複雑な問題を作ることができますか?」

「この考えを他の算数の問題や実生活の状況とどのように結びつけることができますか?」

「この問題に対するあなたの解答に自信はありますか?なぜですか?」

「このアイディアについて、さらに学びたいことや改善したいことはありますか?」

いかがでしょうか。たくさんのフレーズがありますが、一例を記載しました。コーチングの質問後に、アクティブリスニングやフィードバックが続くことは言うまでもありません。

ブルームの分類は、単に知識を覚えるだけでなく、それをどのように使うか、考えるか、新しいことに応用するかという過程を大切にしています。それぞれの段階をクリアすることで、より深く学び、理解を深めることができると思います。

筑駒・御三家・駒東を目指す低学年の生徒は、深く学ぶことが大切です。

「応用」にとどまらず、「分析」「評価」「創造」へ学習を深化させる必要があると感じますます。

関連記事related posts

ジュニアブログ

すてきな春のお話(小1~小3生の成長)

  ご入学、ご進級おめでとうございます。さすがに寒さも和らぎ、冬のコートもクリーニングに出して良いような陽気になってきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は先日晴れたタイミングで犬を連れて春の公園に出…

エクタス算数科

立方体の展開図

このブログが公開されるのはゴールデンウイークが開けた頃ですが、皆さんは学習のリズムを崩さずに頑張れているでしょうか。いつもは『忙しくて宿題がきちんと全部できない!』なんて言っていたこともあるかもしれませんが、だからといっ…

エクタス算数科開成中

【2023年度開成中入試算数を考える】

今回は2023年度入試の中から開成中の算数の結果について考えてみます。 ここ数年の開成中の受験者平均点と合格者平均点を並べてみると次のようになります。 年度 2023 2022 2021 2020 2019 2018 受…

新着記事latest posts

2024/9/10

お知らせピックアップ筑駒

【筑駒】学校別・教科別|入試傾向と対策

本コンテンツは、株式会社Z会の情報誌『最難関中学をめざすなら知っておくべき「7つの極意」』(執筆協力:エクタス)の内容を含みます。 算数 試行錯誤と検証を最短最速で行う工夫が勝負のカギ 試験時間は40分。大問数は4つで小…

お知らせピックアップ筑駒

2024/8/22

エクタス国語科よりお知らせピックアップ筑駒

【筑駒への詩と論述】小6筑駒スーパー講座・国語

筑駒の国語は「説明的文章」「文学的文章」「漢字の書き取り」「詩」という問題構成になっています。中でも、受験生を悩ますのが「詩」の出題で、筑駒の合格を勝ち取るためには「詩」の対策は必須です。詩の題材はさまざまであり、何を要…

エクタス国語科よりお知らせピックアップ筑駒

2024/8/22

エクタス算数科お知らせピックアップ筑駒

【筑駒への64題】小6筑駒スーパー講座・算数

小6対象『筑駒・御三家・駒東 最難関スーパー講座』は、 毎年筑駒・御三家・駒東中合格者を輩出するエクタスの看板講座です。スーパー講座の中で実施している【筑駒への64題】は、筑駒算数攻略のための実戦的な講座として、多くの受…

エクタス算数科お知らせピックアップ筑駒

pagetop