2012年 天体ショー ②

2012/6/14

エクタス理科より

前回のブログで書いた通り、6月6日に21世紀最後の金星の太陽面通過が観測されました。首都圏ではあいにくの天気で直接見られない地域が多かったのですが、今は様々な情報網が流通している世の中です。テレビやインターネットで見た人も多かったのではないでしょうか。金星の軌道面と地球の軌道面が交差する前後にだけ見られるこの大変めずらしい現象は、次回観測できるのは2117年12月11日、なんと105年後です。
さて、2012年は様々な天体ショーが観測できる大変貴重な年です。5月の金環日食、6月の金星の太陽面通過に続き、8月14日には金星食が見られます。
「食」については前回のブログでもかきましたが、天体の一部が欠けて見える現象です。今回は金星が月によって隠される現象です。地球、金星、月の位置関係はどうなるでしょう?前回のブログを見て下さったみなさんであれば必ずわかりますので、ぜひ考えて、わからなければ調べてみて下さい。
金星は地球よりも内側を公転している惑星です。金星は朝早く東の空か、夕方西の空に見ることができます。ぜひ、図を描いて考えてみて下さい。紙の中央に太陽、その外側に金星、その外側に地球、と描くとわかりますが、金星は真夜中に見ることができません。
今回の金星食は2003年5月29日以来9年ぶりに起きる現象ですが、日本から夜間に金星食が観測できるのは1989年12月2日以来23年ぶりです。次回、金星食が見られるのは7年後の2019年8月1日です。
さあ、前回と同様に考えてみましょう。なぜ金星食は金星が月と同じ方向に見えるときに毎回起きないのか。
理由の1つは前回のブログで説明したとおり月の公転面と金星の公転面のずれです。また、2003年の金星食が観測されたときは昼間であったため、空が明るくて観測するのが大変難しかったのです。このように金星食もまた、大変めずらしい現象といえるでしょう。理由は他にもありますから、ぜひみなさんは自分で考えて、自分で調べてみて下さい。
身のまわりに起こる自然現象、「どうしてだろう?」「なぜだろう?」と思うことがたくさんあると思います。
「どうして?」「なぜ?」のまま終らせるのではなく、それらのことに興味を持ち、「ドキドキ」「ワクワク」し、考え、調べてみる。そして「わかった」ことの喜びを感じ、感動し続けて下さいね!

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