GWも終わり、2か月もすればもう夏休みです。受験生にとっての「天王山」も目前に迫りました。光陰矢のごとし、などと言われますが、月日の経つのは本当に早いものです。
筑駒をはじめ、御三家はもちろん、難関と言われる中学の国語入試問題は記述問題の出来具合によって差がつく学校がほとんどです。ただ、一口に「記述問題」と言っても、学校により答案作成への考え方(手順)は変えていかなくてはいけません。桜蔭のように200字前後の長い字数指定の問題もあれば、筑駒・開成・雙葉のように解答欄がマス目になっておらず、書く行数から自分で字数を想定しなくてはいけない学校もあります。武蔵では、設問と設問の間に解答する形式のため、行数もわかりません。したがって、解答するスペースの広さから書く分量を推測する必要があります。
そんな中、2017年度の開成中の国語の解答用紙に注意書きがあったことは以前も書きました。
「1行のらんに2行以上書いたもの、小さすぎる字は減点の対象にします。」
言うまでもなく、「だらだらと余計なことまで書き連ねるのではなく、設問の意図を正確に読み取り、必要最低限の言葉で説明しなさい」という意思の表れでしょう。裏を返せば、だらだらと細かい字で書く受験生が後を絶たない、とも考えられます。
小学生は学校で作文の宿題が出たときなどは「5枚も書かなくてはいけない」というように、量が多いことを苦痛に感じる人が多いようです。でも、実際は長く書く方が本当は楽なのだ、と知っている人はどれくらいいるでしょう。開成中の注意書きは、図らずもそのことを言い当てているように思えます。書く内容を広げだらだらと書き連ねていけば、どこかに出題者の意図と重なる部分も入ってしまう、でもそれ以外の内容の方が多く書かれていたのでは、きちんと理解できたとは言えませんね。
そもそも、自分の考えをある程度の分量の言葉で相手に説明するわけですから、書き出す前におおよその流れ・分量・結論が決まってから書き出すべきなのです。しかし、そうした手順を踏まずに、とりあえず思いついたことを書き始めてしまう。すると、書いているうちに「これも入れよう」「このことも触れよう」…とどんどん分量が膨らみ、とても2行では書き切れそうもない。仕方がないからどんどん小さい字にして何とか解答欄に収まるようにしよう…そんな答案が目に浮かびます。
記述問題を苦手にしている人はもちろん、苦手ではないけど模試でも記述の点が伸びない…という人には、前述の「書く手順」を意識して書くことをお勧めします。先月のブログに「記述の手順」を書きました。日頃の家庭学習でも、授業内演習や模試を受験するときも、この手順を意識して解くことで、本当に自分の「型」が出来上がってきます。頑張って下さい。