秋も深まり肌寒い日が続いていますね。受験生のみなさんは授業、課題、過去問、模試と受験本番に向けて大忙しの毎日だと思います。少し寒くなっていますので健康管理にも気をつけて下さい。
さて、本年の雙葉中の大問2では、魚類のエラに関する問題が出題されました。
口から水を飲み、エラを通じて酸素を血液に取り込み、エラぶたから水を排出するのが魚類が酸素を体に取り入れるまでの流れです。
今回は呼吸器について話をしたいと思います。
呼吸器とは外呼吸を行うための体のつくりです。外呼吸は呼吸のうち空気(水)中の酸素と血液(体液)中の二酸化炭素を交換することを指します。細胞で酸素とでんぷんを利用して生活のためのエネルギーを作ることは内呼吸といいます。人の呼吸器は肺だけではなく、肺に空気を取り込み、不要な空気を排出するためのすべてのつくりが呼吸器です。たくさんありますが、中学受験で出てくるのは気管、気管支、肺、横隔膜、肋骨、肺動脈、肺静脈、心臓などです。では呼吸器の中でも肺やエラのように酸素を体内に取り入れているつくりを紹介します。
肺
ほ乳類、鳥類、は虫類、両生類をはじめとする陸上で生活(一部は水中)する動物が酸素を体に取り入れるつくりです。鳥類には気嚢と呼ばれる袋が2つ肺につながっています。ヒトは息を吸ったときは肺が膨らみますが息を吐いたときには肺が縮みます。つまり、息を吸ったときにしか新しい空気が肺に入りません。しかし鳥類は2つの気嚢のおかげで、息を吸ったときにも吐いたときにも新しい空気が肺に入ります。長時間飛行を続けられることの要因の1つと言えますね。ちなみにカタツムリも肺呼吸です。
エラ
水中生活をするほとんどの動物が酸素を体に取り入れるつくりです。魚類のエラはくしのようになっており、ヒトの肺胞と同様に表面積を広げ、ガス交換の効率を良くしています。エラは動物によって様々な形へと進化しています。
気管
陸上生活をする節足動物のほとんどが酸素を体に取り入れるつくりです。気門から空気を取り入れ、気管でガス交換を行います。
気管エラ
ヤゴなどの水中生活をする昆虫の幼虫が酸素を体に取り入れるつくりです。気管エラを持つ昆虫には気門がありません
皮膚
ミミズや一部の両生類、は虫類が酸素を体に取り入れるつくりです。また、無セキツイ動物のほとんどは皮膚呼吸をすることができます。特に体が小さい場合は皮膚呼吸のみで他の呼吸器を必要としません。
色々とありますね。
最後に、ちょっと変わった呼吸器を紹介します。
エクタス吉祥寺校では「ベタ」という魚を飼育しています。ベタは別名「闘魚」とも呼ばれ、オス同士を同じ水槽に入れるとどちらかが死ぬまで激しく争いをします。そんなベタは自然下では水の流れが少なく、水中の酸素があまり多くない環境に生息しています。そして何と!魚類なのに空気呼吸ができます。「ラビリンス」という呼吸器官を持っていて、水面に口を出して、何と空気中から直接酸素を取り入れることができます。ですから酸欠にとても強い魚です。
「闘魚」とあると恐そうなイメージですが、写真のようにとても美しい魚です。
興味がある人はぜひ吉祥寺まで見に来て下さい。
これまでの努力とここからの努力が必ず実を結びます。
限界まで努力を続けて下さい。
頑張れ!受験生!