筑駒入試まであと2ヶ月となりました。2020年の筑駒国語の入試問題はどのような出題になるのか。過去の出題傾向から予想と対策を考えてみました。
物語文
2020年入試問題は、「家族(母と子)の物語」と予想
【過去の出題内容】
(2019年)出題なし
(2018年)青年とピアノ調律師のぼく
(2017年)歌の上手い智樹と下手な鈴世
(2016年)疎開先で継母と暮らすイコ
(2015年)弟の蜜蜂を気遣う兄と飼い犬の耳丸,友人のアリス
(2014年)父が幽霊の草之丞
(2013年)石工三五郎と命を狙う刺客のさむらい
(2012年)けんかをする兄弟と見守る母
(2011年)友人Bを思うAの心情
(2010年)慎のついた嘘に気づきながらも,とがめない母
(2009年)出題なし
【テーマ別出題内容】
(友人・他人)2018年・2017年・2015年・2013年・2011年
(家族)2016年・2014年・2012年・2010年
【設問の特徴】
常識から生まれる先入観で読み取ると,間違えてしまう問題が多い
(2017年)「同情」ではなく「理解出来ない」「不思議」
(2016年)「相手を思いやる」のではなく「距離を感じるさびしさ」
(2015年)一見冷たい仕打ちのような対応にある温かさ
(2012年)兄弟げんかを止めないで、兄に手加減しないでやらせようとする母
(2011年)Aの祖母から手袋をもらったBへの第三の心情(喜んでくれたことへの喜び、恩恵をほどこした気落ち、あと一つは何か)
(2010年)嘘をついた息子をとがめない母に対する息子の心情
【対策】
「気持ち」→「理由」で考え、「理由」→「気持ち」で記述する
論説・説明文
来年は,「(比喩的な意味も含めて)旅に関する文章」と予想
【過去の出題内容】
(2019年)子供の絵の美術としての評価
(2018年)人工内耳という「医療技術」に潜む問題点
(2017年)進化の働きによる仲間の作り方
(2016年)死について考えることで生の意味に迫る
(2015年)歴史の評価
(2014年)ゴリラに学ぶ
(2013年)絵を通してリアリズムとは何か,を考える
(2012年)鍬の使い方から,仕事の仕方を学ぶ
(2011年)食文化の違いから常識の持つ非常識を学ぶ
(2010年)縄文土器を通して,縄文時代の生活を理解する
(2009年)真の冒険とはどういうものか
【設問の特徴】
常識から生まれる先入観で読み取ると,間違えてしまう問題が多い
(2019年)子供の絵が良いのは「感性」の問題か
(2018年)「人工内耳」を良いもの、という先入観で読むと間違える
(2017年)「山賊」という言葉に、マイナスの印象を持たない
(2016年)「死」を比喩的に使っている部分を見抜き、プラスの概念ととらえる
(2015年)「歴史の評価」は変えて良いのか悪いのか、問題で聞いているのは?
(2014年)ゴリラの人間より優れている点を読み取る
(2013年)真実だけど×、真実ではないけれど○、を読み取る
(2011年)「人間が人間を食べられる」が成り立てば、食糧危機にならない理由
(2010年)古いものは文化遺産ととらえがちだが、「生活の道具」であった
(2009年)真の「冒険」とはどのようなものか
【対策】
「二つの概念の対比」に気づき、筆者の意見を瞬時に読み取る
詩
【過去の出題内容】
(2019年)「シジミ」は何
(2018年)「あけがたには」は何
(2017年)「名乗るほどの者ではない」はなぜ
(2016年)「秋の砂」は何
(2015年)「なれ」は何
(2014年)「終電車の風景」は何
(2013年)「居直りりんご」はなぜ
(2012年)出題なし
(2011年)「虻」は何
(2010年)「母はサボテンが好きだ」はなぜ
(2009年)「月のひかり」は何
(2008年)「めまいよ こい」はなぜ
(2007年)「たこ」は何
【対策】
題名を見て、瞬時に「は何」または「はなぜ」をつけて、考えてみる
①題名がそのまま比喩になっているものが多い(2007年・2009年・2011年・2014年~2016年・2019年) ↓
何が「たとえ」られているのか、を瞬時に判断する
(例)2007年「たこ」では→「自分の心」が表れている、と思えると、「このまま 空のたびにでるんだ、と しきりに ぼくの手をひっぱる」は「ぼく」のどんな気持ちを表していますか。という問四の問題にも答えることが出来ます。「たこ」に意志はないわけなので、「ぼく」がたびに出たいのだとわかります。
(例)2019年「シジミ」は「自分(作者)だ」と思えると、問四はうまく書けますね。
②「題名はなぜ」で考える問題(2008年・2010年・2013年・2017年)
・めまいがきてほしいのはなぜか(2008年)
・母がサボテンを好きなのはなぜか(2010年)
・りんごはなぜ居直るのか(2013年)
・なぜ名乗れないのか(2017年)を瞬時に判断する
(例)2010年「母はサボテンが好きだ」では→なぜ好きなのか→「手がかからない」から→「父」や「私」に対する「母」の思い(「手がかかる」)が感じられると整理してから、問題を解いていきましょう。
【対策】
過去問を解いて答え合わせをする、も大事ですが、それだけで終わらず、上記の区分けを参考にぜひ一度「題名は何」「題名はなぜ」を考えて、まとめておきましょう。実際の入試では、「題名は何」「題名はなぜ」のどちらかで考えて、瞬時で自分なりに結論を導き、それをふまえて問題を解いてみてください。
ただ漠然と解く、ではなく、自分にはこういう「アプローチ法」があるんだ、という「技」を身につけて入試に臨めると、余裕と自信を持って試験にチャレンジ出来るはずです。