毎年、西暦の数字にまつわる問題はよく出題されます。来年は2022年ですから、2022にまつわる問題が出題されることは予想できます。これを「2022問題」と呼ぶことにします。この対策として次の問題を考えてみましょう。
【問題】
0から9までの1けたの数字10個から、異なる2個の数字を選びます。その2個の数字をどちらも1回以上使って4個を並べた数を作ります。ただし0を使うときは、たとえば0030は30、0101は101と考えることとします。(2020桜蔭中 改題)
① このようにしてできる数は全部で何個ありますか。
② 2020は小さい方から数えて何番目の数ですか。
【解説】
① 場合の数の解法は基本的には、いくつかの場合(パターン)に分けてそれぞれ何通りあるかを考え、最後に足し合わせるというものになります。
まず、選ぶ2個の数字が0と1の場合を考えます。0と1だけで4けたの数を作る訳ですから、すべて書き上げると、0001、0010、0011、0100、0101、0110、0111、1000、1001、1010、1011、1100、1101、1110の14通りになります。
また、書き上げるのではなく計算でも答えを出すことはできます。各位に0か1を使うので、2×2×2×2=16通りですが、0000と1111は除くので、16-2=14通りですね。
次に10個の数字の中から2個の数字を選ぶ選び方ですが、これは10×9÷(2×1)=45通りと計算する方法が知られています。ですから全部で14×45=630通りが答えとなります。
② こちらでは数の大きさを考えなければなりませんから、
A 0001~0999、B 1000~1999、C2000~2020までの3つの場合に分けてそれぞれ何通りあるのかを考えることになります。
A 千の位は0ですから、選ぶ数字は0と1~9のいずれかです。0と1の場合、①で書き上げたように7通りです(2×2×2-1と計算してもOK)から、7×9=63通りです。
B 千の位は1ですから、選ぶ数字は1と0、2~9のいずれかです。1と0の場合、やはり7通りですから、こちらも7×9=63通りとなります。
C 2と0を使うことになりますから、2000、2002、2020の3通りです。
よって2020は63+63+3=129番目ということになります。
場合の数は、このようにいくつかの場合を分けることがまずは大事です。そして、最終的に誤答をしてしまったとしても、それぞれの場合で何通りかが正解しており、それがわかりやすく記されていれば途中点がもらいやすくなります。(ただし、この桜蔭の問題は答案用紙に途中式や考え方を書く欄はありません。けれどもていねいに書いておけばミスは減ります)
なぜこの問題を紹介したのかと言うと、実はこの問題はそのまま2022に使えるからです。つまり、「2022は小さい方から数えて何番目ですか 答え 130番目」ということですね。このように、「2022」問題の対策としては、2020年の過去問をピックアップしていくというのも1つの手ではないでしょうか。